Research Abstract |
優先制御を用いた検討では,優先度のポリシー設定が重要な鍵になる,例えば,利用者まかせで優先度を設定する場合,すべての利用者が優先度の高いクラスを選択する可能性があり,優先制御の効果が望めない危険性がある.その問題を解決するためには,配信するコンテンツに対する時間感度に応じた優先度を設け,配信側で優先制御することにより,利用者全体の効用を増加させることが可能である.具体的には,利用者の時間感度が潜在的に敏感になるコンテンツには高い優先度を設け,鈍感なコンテンツは優先度を低くして配信する.このような制御を行うことにより,利用者全体の効用を増加させることができる,そこで,本研究では主観評価を用いて配信するコンテンツの属性(特徴)に対する利用者の効用変化を定量的に示し,効用の変化の主要因となる属性を明らかにする.次に,主観評価の結果を利用した優先制御について検討する.そして,トラヒック理論による理論解析やシミュレーションより,利用者の効用が最大となる配信方式の提案を行う. これまでの実績として,ユーザ効用に基づくネットワークの有効利用を行うための前段階の検討として,ストリーミング放送のユーザ満足度について視聴環境とコンテンツジャンルの関係を求めた.本稿では,ユーザが映像コンテンツに対して求める音質や画質の重視度を特性として考え,主観評価実験を用いて複数のジャンルについて特性を調査している,実験の結果に対して主成分分析を行うことにより,ジャンルごとの映像コンテンツの特性を定量的に明らかにしている.
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