2006 Fiscal Year Annual Research Report
コンテンツ配信におけるユーザ効用の時間感度差とその利用
Project/Area Number |
16760314
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
矢守 恭子 早稲田大学, 国際情報通信研究センター, 助教授 (20350449)
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Keywords | サービス品質 / 優先制御 / 効用 / ユーザ行動モデル / 主観評価実験 / 最適配信方式 |
Research Abstract |
インターネットの広帯域化とともに,ネットワーク上で提供されるコンテンツは肥大化の一途を辿っており,同時に伝送されるトラヒック量も膨大になっている.このような中で,優先制御を用いた差別化サービスが注目されてきている.差別化サービスを提供するためには,システムの構成や運用法が必要であるが,同時に利用者の立場から考えたシステム設計が望まれている.つまり,利用者全体の効用を最大化してネットワークを有効利用できるような優先度の設定手法が必要である.そこで,利用者の主観評価から待ち時間などのサービス品質(QoS)と効用の関係を示し,ネットワークやその潜在トラヒックなどの条件が与えられた際に利用者全体の効用が最大となるような優先度設定手法の提案が課題となる. 本研究では,主観評価実験を行い,ユーザの行動を数学的なモデルとして示した.これまでの研究では,シミュレーションにおいてユーザ行動や効用はランダムに与えられており,これを用いてシステムの評価などを行ってきた.そのため,結果はパラメータ依存になり,得られた結論の信頼性に疑問があった.本研究では,ユーザに実際のサービスを体感させることにより,ユーザ本来の効用を測定することができた.そして,このユーザ行動モデルを利用し,ユーザの満足度を最大化させる料金設定や優先制御の方式,事業者の収益を最大化させる料金方式や優先制御の方式,更に,両者の妥結点などを明らかにした.
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