2005 Fiscal Year Annual Research Report
あいまいさを考慮した空間情報による沿岸域の生態系分布状況解析とデータベースの構築
Project/Area Number |
16760317
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
景山 陽一 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (40292362)
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Keywords | リモートセンシング / 海面温度 / 海底湧出地下水 / あいまいさ / ランドサットTMデータ / 鳥海山 / 沿岸海域 / 環境変化 |
Research Abstract |
本研究は秋田県と山形県の県境に位置する鳥海山からの地下水が湧出している沿岸海域を対象とし,海底地下水の湧出に伴い生じる沿岸海域の自然現象とリモートセンシングデータとの関連,並びに得られた結果と生態系の分布状況との関連について検討を加えた。得られた成果を以下にまとめる。 1,海底湧出地下水に関する研究が行われている北海道利尻島を対象とし,マルチスペクトルデータであるランドサットTMデータと湧出地点における海面情報との関連に基づいて構築した解析モデルは,対象地域における海底地下水湧出地点の推定に有用であることを明らかにした。 2,対象地域(秋田県にかほ市象潟)の現地調査を行い,湧出地下水を測定した。その結果,年間を通じて水温がほぼ一定であり,海底湧出地下水を推定する指標として水温情報が有効であることを確認した。また,現地の専門家から海底地下水の湧出状況や地形状況に関する知見を得た。 3,ランドサットTMデータの分解能や対象地域の条件を考慮し,海底湧出地下水が海面温度に与える影響についてシミュレーションを行った。その結果,対象地域における湧出地下水が海面温度に変化を与え得ること,海底湧出地点の推定にリモートセンシングデータの活用が有効であることを明らかにした。 4,特徴の異なるリモートセンシングデータを用いてデータベースを構築し,多面的な解析を行うためには,取得データの特性を考慮し雲域などを自動的に精度良く推定する必要がある。このため,マルチスペクトルデータの特性に着目した自動クラス分類法について検討を加えた。また,高分解能センサで取得された詳細な情報を低分解能センサで取得されたデータを介して広い範囲に外挿し,高精度な情報を広範囲・多頻度で推定することのできる手法についても検討を加え,これらの有用性を明らかにした。
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