2005 Fiscal Year Annual Research Report
統計的パターン認識手法を用いた脳波インタフェースに関する研究
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16760320
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
六井 淳 島根大学, 総合理工学部, 助手 (70362910)
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Keywords | 統計的パターン認識 / 脳波 / インタフェース / 適応 / 随伴性陰性変動 / 主成分分析 / ST-PCA / 線形予測分析 |
Research Abstract |
平成17年度は脳波の個人性に関連する理論構築及び実験データ集積を行った。また、インタフェース実装のための基礎研究として発声に関連する事象関連電位の特定とデータ集積を行った。前者については、主に言語情報と色彩情報による個人の脳波反応に対し、主成分分析、独立成分分析などの特徴抽出手法によって脳波特徴空間を生成した。個人差による影響について調査を行い、脳波の個人性抽出に適したST-PCA(Spatio-Temporal Principle Component Analysis)を考案した。ST-PCAは頭皮上の各電極端子に対応した短時間フレーム分析を行い、時空相関行列を生成し、これを主成分分析に適用することで効果的に時系列とチャンネルごとの脳波特性を表現する特徴抽出法である。ST-PCAを用いることで、脳波による個人性の変化を効率的に抽出することが可能である。本研究の成果により、脳波の個人差によってこれまで困難とされてきたテンプレート間の不整合が解決できると考えられる。 次に本研究では、発声を主な命令入力とするインタフェース構築を目指しており、後者の取り組みでは発声を入力とする際に問題となる発声区間特定に脳波の事象関連電位を使用することを検討した。筋収縮の起こる1〜2秒前に微少な脳事象関連電位が発生することが医学的に証明されている。この電位は随伴性陰性変動(Contingent Negative Variation:以下CNV)と呼ばれ、発声に関しても例外なくCNVが確認されている。CNVは微少な電位であるため、その確認には従来、加算平均法などを用いる必要があり、リアルタイム処理などの工学利用は困難と考えられてきた。本研究では生体信号特有の自己回帰構造に着目し、線形予測分析によってCNV確認ができると予測した。頭皮を16区画に分割し、詳細な実験を行った結果、一部の区画においてCNV反応を顕著に確認することに成功した。現在はCNV反応に関する追加実験及び周波数帯域に関する検討を行っている。
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Research Products
(2 results)