2006 Fiscal Year Annual Research Report
統計的パターン認識手法を用いた脳波インタフェースに関する研究
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16760320
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
六井 淳 島根大学, 総合理工学部, 助手 (70362910)
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Keywords | 統計的パターン認識 / 事象関連電位 / 随伴性陰性変動 / 線形予測分析 / PARCOR分析 / 刺激先行陰性電位 / ビジランス / 適正指導環境 |
Research Abstract |
平成18年度は平成17年度に確認された発声に関連して生起する事象関連電位である随伴性陰性変動の抽出法の確立及び、ビジランスに関連する刺激先行陰性電位に関する研究を行った。前者に関しては、データの十分な集積を行い、平成17年度までの指標と定めた線形予測分析に加えてPARCOR分析による特徴抽出を試みた。線形予測分析に比べ、PARCOR分析の場合、時系列データの順列に依存しないため安定した特徴量が抽出できることが実験的に確認された。更に、頭頂部から左側前頭部に良好な反応が得られることを確認した。周波数領域での検討では、16〜25Hzに顕著な反応を確認し、PARCOR係数を利用した特徴量での個人種別の分離可能性を確認した。研究課題であった脳波インタフェースについては、プロトタイプの携帯型インタフェースを試作し、現在も精度面の習熟を測っている。後者に関しては、随伴性陰性変動を計測した際の被験者の正答率の差異に着目した。大量の脳波データを集積する場合に、被験者のメンタル面での差が顕著であることが挙げられる。これをビジランスの影響と考え、研究を進めた。結果、刺激先行陰性電位と呼ばれる事象関連電位と身体能力に密接な関係があることが実験的に確認された。実験は、スポーツ経験者数名による身体測定と実験環境及び正答率の3つの関係を計測した。この3種を組み合わせた場合、結果に応じて、報酬や罰則が有効に働く個人と、悪影響を及ぼす個人が存在し、それらを刺激先行陰性電位と身体能力の差でパターン化し、区別できることが確認された。この研究成果は教育を目的とした適正指導環境分類に適用できるものと考えられる。 平成16年度から平成18年度に至り、科学研究補助費(若手B)の支援を賜り、脳波インタフェース実現のための基礎研究を行い、一定の成果が得られたものと考えられる。今後は脳波インタフェースの熟成と、より多くのデータ集積により信頼性の向上を行う予定である。
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Research Products
(4 results)