2004 Fiscal Year Annual Research Report
高精度線検出の高速化と医療用画像診断支援システムへの応用
Project/Area Number |
16760329
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉永 幸靖 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 助手 (60304854)
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Keywords | コントラスト非依存 / 線 / 高速化 / 交差解消 / コンピュータ支援診断 / ひだ集中度 / オブジェクト空間 / 胃X線二重造影像 |
Research Abstract |
線集中度フィルタの性質の解析を行い、輝度・コントラスト・幅の影響を受けず、線状領域を極めて感度良く、かつ雑音に影響されにくいという性質を維持しつつ、高速化するための手法について検討した。また、従来型の線集中度フィルタを用いた診断支援システムについても更なる高度化を検討した。 1 線集中度フィルタの高速化 従来の線集中度フィルタではGAWHTを利用して注目点ごとに独立して集中度の計算していた。しかし、注目点が異なっている場合でも、計算対象となるベクトルの位置が同一である場合、条件によっては集中度の計算が同一となる。この条件は、計算の注視点を集中度を計算する注目点から計算対象となるベクトルの位置に変えることにより、条件判別を劇的に簡素化できる。この性質を利用し、計算の冗長性をなくしつつ、計算の簡素化を実現するアルゴリズムとして、ベクトル集中度蓄積法を開発した。実験により、ベクトル集中度蓄積法の計算時間は、計算範囲などのパラメータを等価にした場合の従来のGAWHTによる手法に比べて、約100分の1となることを確認した。 2 診断支援システムの高度化 線集中度フィルタのコントラストに対する非依存性と方向検出の精度を利用し、方向を第3軸とするオブジェクト空間表現を定義した。この空間表現では、交叉する線を異なる空間上に配置することができる。この性質を利用し、3次元的に交叉していない2本の線に対する2次元投影像での交叉を解消し、胃壁ひだ集中の安定な検出が可能を実現した。また、曲線端点の進行方向の延長線上にひだが集中する領域を想定し、その内部への投票により求めたひだ集中度の分布の局所的ピークとして病変を検出することができた。
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