2004 Fiscal Year Annual Research Report
拘束条件の自己形成・実時間選択による感覚運動情報統合モデルと移動ロボットへの応用
Project/Area Number |
16760337
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 敏之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (60323820)
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Keywords | リカレントニューラルネット / CPG / 運動学習 / 周期運動 / 拘束条件 |
Research Abstract |
本年度は特に研究計画の1)「感覚運動情報の時系列入力に基づく拘束条件の実時間選択モデル」について実施した.制御の対象を周期運動に限定した上で,トルク運動指令生成器(コントローラ)を非線形振動子の結合系として記述し,そのパラメタ(時定数および定常入力)を適切に定めることで,周期運動を実現することを試みた.その結果,(長さが異なるために)固有振動数が異なる3種類の単振子について,振れ幅を大きくする励振運動を実現するCPGパラメタを探索的最適化法により同定した. ここで同定されたCPGパラメタは,それによって生成される運動指令パターン(時系列)を低次元化したシンボルと考えることができる.そこで,本研究では,この3種類のCPGパラメタ群をアトラクタとする連想記憶装置を運動生成モデルに導入し,「感覚運動情報の時系列入力に基づく拘束条件の実時間選択モデル」を実現した.ここでは,CPGパラメタを非線形力学系のアトラクタとして記憶するために,リカレントニューラルネットワークを用いた. 提案モデルでは,環境との相互作用の文脈に基づいて拘束条件(CPGパラメタ)が選択される.したがって,システムの状態は感覚刺激の時系列入力により決定される.選択された拘束条件は身体自由度を拘束して周期運動を生成することで外部環境に対して力学的な変更を加える.さらに環境の変化は感覚器を通してシステムの力学系に摂動を加える. 本モデルは,環境属性の変化(摩擦係数やリンク長の変化)に対し,まず「1.CPG(非線形振動子)が持つ引込み特性で適応」する.そこで適応が実現されない場合(すなわち,予想される運動軌道が実現されない場合)には,「2.CPGパラメタを変更することで適応」する.本モデルはこの2重の適応ループを自律的に判断・学習・記憶する動的運動予測モデルを形成する. さらに提案手法を,3リンクマニピュレータのクランク回転運動制御に応用した.
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Research Products
(6 results)