2004 Fiscal Year Annual Research Report
H∞感度低減化問題におけるサンプル値制御系の性能限界
Project/Area Number |
16760340
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 義道 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10263203)
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Keywords | デジタル制御 / サンプル値制御 / 感度低減化問題 / 性能限界 / エイリアス |
Research Abstract |
前年度において、周波数重みのないサンプル値系の感度低減化問題は、純粋な離散時間系の周波数重み付きの混合感度低減化問題に帰着されることを示した。この周波数重みは、エイリアスの影響を反映しているものと考えられるため、エイリアス因子と呼んでいる。本年度は、エイリアス因子の複素平面上における解析的性質(どのような伝達関数で表現されるか。サンプリング周期を0、あるいは、∞に近づけたとき、どのように振舞うか。エイリアス因子が定数になるのはどのような場合か。など)を明らかにすることを目標とし、以下の結果を得た。 (i)エイリアス因子は、安定かつプロパーな有理関数である。 (ii)エイリアス因子のH∞ノルムは1以下である。 (この性質から、サンプル値系の性能限界は、離散時間系の性能限界よりも良くはならないことがわかる。) (iii)制御対象がn次系のとき、エイリアス因子はn-1次系となる。 (このことから、制御対象が1次系の場合、エイリアス因子は定数となることがわかる。また、この定数はサンプリング周期を0に近づけたとき、1に漸近することを示した。) (iv)制御対象が積分器のn乗で表現される場合のエイリアス因子はサンプリング周期に依存しない関数となる。また、相対次数nの制御対象の場合、サンプリング周期を0に近づけたときのエイリアス因子はその関数に漸近する。 来年度は、これらエイリアス因子の性質をサンプル値系の感度低減化問題に適用し、純粋な離散時間系の解と比較することで、感度低減化問題におけるサンプル値制御系の性能限界を導く。
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Research Products
(2 results)