2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760341
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浅井 徹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30314363)
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Keywords | 切替システム / 制御系設計 / 線形行列不等式 |
Research Abstract |
制御系の動作時にはさまざまな環境の変化が発生する.それらの変化は常に未知とは限らず,事前に予測可能なものも多い.そこで,あらかじめそれらの状況に対応した補償器を設計しておき,それらを切替えて用いれば環境の変化にも迅速に対応することができる.ただし,その際,切替を安易に行うと切替時に望ましくない過渡応答が発生する.そこで,そのような応答を抑制するための切替支援制御系が必要になる. 本研究では,切替後に応答を抑制するための補償器の状態設定ならびにフィードフォワード入力の印加を行うことでそのような支援制御系を実現することを考える.また,設定すべき状態や印加すべきフィードフォワード入力は.切替時の制御対象の状態(領域)に依存するので,その領域を推定する必要もある.このうち,補償器に設定する状態およびフィードフォワード入力の設計法については従来と同様である.一方,状態領域の推定を行うために本研究では切替直前にある有限区間を設定し,その区間の観測出力から時変なフィルタを用いて切替時の状態領域推定を行うことを考える.このとき,有限区間でなおかつ外乱の存在下において状態領域を推定する時変フィルタを設計する必要がある. 本研究では,そのような時変フィルタの設計問題を離散時間で設定した.まず,設定した有限区間の初期時刻において 1.状態がある正定行列によって与えられる楕円領域に存在する 2.印加される外乱のL_∞ノルムが有界 と仮定したとき,切替時刻において状態が存在する楕円領域を定める正定行列を求めるための線形行列不等式条件を導出した.つぎに,その解析条件を用いれば,上記の時変フィルタを線形行列不等式で設計できることをあきらかにした.現在,その有効性を数値例を用いて検証している.また,不確かさが存在する場合についての検討は今後の課題である.
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