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2005 Fiscal Year Annual Research Report

入力制限を有する制御系の厳密な性能解析と実験検証に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16760343
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

平田 研二  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40314364)

Keywords拘束システム / 不変集合 / 最大出力許容集合 / 可到達集合 / リファレンスガバナ / スイッチング制御
Research Abstract

現実の制御系には,アクチュエータの性能限界などに起因し,制御入力の大ききに関する拘束条件が存在する.入力制限の存在は,ワインドアップ減少などを生じ,制御系の性能を著しく劣化させる.またきわめて容易に,制御系の不安定化を引き起こす.拘束条件の存在を陽に考慮した制御系の解析・設計理論の確立は,実システムの安全な運用を保証する意味でも,また優れた制御性能を引き出す意味でも,大きな実用的意義を有する.
本研究では,制御系の振る舞いを決定する状態変数に着目し,状態空間に構成される不変集合の性質を活用することで,拘束条件の存在を陽に考慮した制御系の性能解析および制御系設計法を提案した.またえられた制御系設計法を,実システムに適用することで,有用性の実験的検証ならびに残された理論的研究課題を明らかにした.
本研究における理論的な成果として,非線形システム対しする最大出力許容集合の概念の拡張が挙げられる.拘束条件を有する制御系が,その拘束条件を破ることなく安全に動作するための条件として,最大出力許容集合の概念を利用した必要十分条件が知られている.これらの条件は,基本的には,拘束条件を有する線形システムに対して与えられていた.しかしながら現実の制御系は,少なからず非線形特性を有する.したがって,最大出力許容集合を利用した制御系の解析の実用性を高める観点からは,その概念を非線形システムに対して拡張することは重要である.この点に着目し,拘束条件を有する非線形システムに対して,最大出力許容集合の概念を提案し,この具体的な構成手順を明らかにした.これにより,非線形特性を有する制御系が,安全に動作するための必要十分条件が陽に記述される.
最大出力許容集合に代表される不変集合は,制御系が安全に動作できる状態空間の領域を与える.そこでこの情報を利用することで,拘束条件の達成を保証することが可能な,目標値入力の整形則を提案することができる.この制御則の実用性を,モデルヘリコプタの姿勢制御系に実装し,実験的に検証した.実験による検証をとおして,良好な制御性能がえられた一方,実装に伴う計算量の増大が引き起こす問題も明らかとなった.この観点から,計算量の軽減を考慮した制御則の一実現手順を提案した.実験的な検証を含めた考察に関しては,今後の課題となっている.

  • Research Products

    (4 results)

All 2005

All Journal Article (4 results)

  • [Journal Article] あるクラスの不確かなシステムに対する拘束条件の解析2005

    • Author(s)
      平田 研二, 太田 快人
    • Journal Title

      計測自動制御学会論文集 41・8

      Pages: 660-667

  • [Journal Article] RCヘリコプタに対するリファレンスガバナの実験による検証2005

    • Author(s)
      大原 伸介, 平田 研二, 峯村 紘史
    • Journal Title

      日本機械学会論文誌 C編 71・707

      Pages: 2305-2312

  • [Journal Article] あるクラスの非線形システムに対する最大出力許容集合の構成手順2005

    • Author(s)
      平田 研二
    • Journal Title

      計測自動制御学会論文集 41・6

      Pages: 544-546

  • [Journal Article] 変数のブロッキングを用いて表現される拘束システムに対するリファレンスガバナの構成法2005

    • Author(s)
      小木曽 公尚, 平田 研二
    • Journal Title

      計測自動制御学会論文集 41・1

      Pages: 88-90

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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