2004 Fiscal Year Annual Research Report
リミットサイクルの構成理論及びその連想記憶とトンボの視覚情報理解への応用
Project/Area Number |
16760354
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
陳 新開 芝浦工業大学, システム工学部, 助教授 (50273347)
|
Keywords | リミットサイクル / 振動子 / 振動型ニューラルネットワーク / 同期化 / 同期化過度時間 / 長距離ニューロン結合 / 連想記憶 / トンボの視覚情報理解 |
Research Abstract |
本研究は,van der Pol型振動子を用いて,振動型ニューロンをモデル化する.ここで,光がこの振動子の入力として考え,24時間の周期を持つ安定なリミットサイクルの存在するように設定する.この振動型ニューロンのモデルを用いて,大規模振動型ネットワークを構成し,その同期化について調べる.まず,このネットワークが連結していることを保証するために,基本的なリング連結が存在すると仮定する.そして,その他の連結について調べる.(1)もしすべての連結が近いニューロン同士だけの結合なら,このネットワークの規模が大きくなると,同期化が不可能となることが解析的に証明できる.(2)もし任意の二つのニューロンが連結しているなら,このネットワークが規模と関係なく,同期化していることを証明できる.また,ネットワークんの連結方式に拘らず,ニューロン同士の間の連絡の強さも同期化およびその過度時間に影響がある.実際の脳において,上記のような単純な結合方式ではなく,近いニューロン同士が結合しているうえ,幾つかのある程度強さを持つ長距離のニューロン同士の結合が存在すると考えられる.しかもこの長距離結合がランダム的に発生する.さらに,長距離結合がネットワークの同期化過度時間を左右し,長距離結合の数が多ければ多いほど,同期化現象が発生しやすくなるうえ,同期化過度時間も短くなる.最後に,人工脳や人工複眼を実現するために,このランダム的な長距離結合の分布モデルを二つ提案する.計算機シミュレーションにより,提案モデルの合理性および長距離結合の役割を検証する.
|
Research Products
(2 results)