2005 Fiscal Year Annual Research Report
制震ブレースを用いた土木鋼構造物の耐震性向上に関する研究
Project/Area Number |
16760371
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
葛西 昭 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (20303670)
|
Keywords | 鋼構造物 / 連続高架橋 / 制震 / 耐震性能 / 弾塑性有限変形解析 / 座屈拘束ブレース / 弾塑性地震応答解析 / 終局耐震設計法 |
Research Abstract |
前年度の成果を受けて,本年度では,制震ブレースとして利用される座屈拘束ブレースの数値解析モデルの構築,および,制震ブレースを導入した連続高架橋の耐震設計法について基礎的な検討を行った.以下にその概要をまとめる. 1)SS400からなる平鋼,極低降伏点鋼や低降伏点鋼を用いた座屈拘束ブレースの繰り返し弾塑性挙動を再現する数値解析モデルについて,高精度なモデル,利用に即した簡易モデルを構築し,実験結果との比較により,精度の検証を行った. 2)その結果,低降伏点鋼を用いた座屈拘束ブレースは,降伏後の強度増加が安定的で,バイリニア移動硬化則といった簡易なモデルを用いても,比較的精度を損なうことなく,座屈拘束ブレースの力学的挙動を再現できることが分かった. 3)材料として降伏応力の管理と降伏後の強度増加の安定性から判断して,座屈拘束ブレースに用いる材料は普通鋼,低降伏点鋼,極低降伏点鋼の中では,低降伏点鋼が優れていることを履歴挙動およびエネルギー吸収能から判断した. 4)座屈拘束ブレースを有する連続高架橋の地震応答解析を行ったところ,本研究で想定した座屈拘束ブレースの設置方法では,座屈拘束ブレースが分担する荷重が大きくなるにつれて,桁のたわみが増大することが分かった. 5)従って,新たに座屈拘束ブレースを設置する場合には,その設置によって,荷重の分担が変わり,これまで想定されていない箇所に変形が発生するため,設置方法には細心の注意を払うことが分かった.今後の課題として,最適な設置位置,最適な座屈拘束ブレースの選定,その簡易設計法の開発が望まれる.
|
Research Products
(1 results)