2004 Fiscal Year Annual Research Report
水平2方向に地震力を受ける鋼製橋脚の弾塑性応答性状と合理的耐震設計法に関する研究
Project/Area Number |
16760373
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 和寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (40301238)
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Keywords | 鋼製橋脚 / 地震時応答性状 / 水平2方向 / ハイブリッド実験 / 弾塑性有限変位解析 |
Research Abstract |
本研究では,組み合わせ荷重下における構造部材の強度特性と変形性能の解明を目的として京都大学で開発された三次元構造物試験装置を用い,繰返し載荷実験により角形鋼製橋脚の力学特性を調べたのち,1方向および水平2方向地震動に対する同橋脚のハイブリッド地震応答実験を行った.そして,これらの応答性状を比較することにより,この鋼製橋脚が水平2方向に地震力を受けた際の弾塑性応答性状について詳細に検討した.また,載荷実験との対比のため,局部座屈を精度よく表現できるようにシェル要素を用いた汎用有限要素解析コードABAQUSによる弾塑性有限変位解析を実施した.得られた結論を以下に示す. 1)X方向とY方向の1方向単独入力の場合に比べ,X方向とY方向の2方向同時入力の場合,X方向,Y方向ともに耐荷力の低下が見られ,弾塑性応答性状は単独入力の場合に比べ大きく異なった.特に,弱軸となるY方向において,同時入力による相互作用の影響が大きく表れた.したがって,合理的な耐震設計法を確立するためには,今後多方向入力下における構造物の耐震性能について検討する必要がある. 2)ハイブリッド地震応答実験より得られた応答変位を角形鋼製橋脚に作用させた弾塑性有限変位解析を行った.その結果,1方向の場合,載荷実験で得られた水平荷重-水平変位曲線と非常に良く一致した.また,2方向の場合,1方向の場合に比べ差異のあるところもあったが,実験中に現れた複雑な剛性の変化を再現できた.
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