2005 Fiscal Year Annual Research Report
大変形地盤挙動の高精度予測評価:合理的解析手法の開発と現行設計基準への反映
Project/Area Number |
16760390
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山川 優樹 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (80324010)
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Keywords | 計算地盤工学 / 大変形地盤挙動 / 陰解法有限要素法 / 有限変形理論 / 地盤-基礎構造物の耐荷挙動 / 逆T型送電線鉄塔基礎 / 引揚げ支持力問題 / 地形・地質条件 |
Research Abstract |
本研究では,地盤-基礎構造系の耐荷挙動に関する合理的数値解析手法を確立すると共に,数値解析研究者の立場から現行設計基準を見直し,合理的な設計基準の確立とコスト低減方策に寄与することを目的としている.特に本年度は,様々な条件に対するパラメトリック・スタディが容易に実施可能であるという数値解析の利点を最大限に活用し,これまでの実務設計指針では詳細に考慮されていない様々な条件下での地盤-基礎構造系の耐荷挙動の検討を行った.あわせて,数値解析結果を随時反映し,局所的大変形を伴う地盤の力学挙動を合理的に表現しうるよう,解析アルゴリズムや弾塑性構成モデルの改善,ならびに有限変形理論による分岐挙動の解明も行った. 本年度は3箇年の研究期間の2年目であり,昨年度の研究で開発・改善が済み,強い非線形性を有する地盤材料の局所変形挙動に対する求解の安定性を図った陰解法有限要素法の数値解析コードを用いて,各種の地形地質条件における地盤-基礎構造系の耐荷挙動評価を行った.検討対象として,送電線鉄塔基礎にしばしば用いられる逆T型基礎の引揚げ支持力問題を取り上げた. 傾斜地盤・頂上地形・尾根地形など山間部における送電ルートの敷設において注意深い検討が必要とされる地形条件や,互層地盤などの現実の基礎施工場所で遭遇する複雑な地質条件,また,根入れ深さなどの基礎設置方法など,各種条件について支持力の検討を行った.その結果,本研究で開発した有限要素解析コードにより,実験結果を定量的に精度良く再現できることを確認し,また,地形・地質などの各種条件による最大支持力や変形・破壊の進展挙動の変動を定性的に把握できた.その際,地盤内部の局所的な応力・ひずみの変化も調べることにより,基礎近傍地盤の力学的挙動を詳細に把握できた.また,その結果を地盤材料の構成モデルの更なる高度化に反映させるための基本情報も得ることが出来た.
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Research Products
(3 results)