| Research Abstract |
本研究では平成16年度から平成18年度までの3年間で,6時間程度の可能最大降水量の算出と深度・面積・頻度解析を行うことを対象に,それが,今後100年間の気候変動および都市化の影響を受けた結果を算出する.もちろん,気候変動や都市化の影響は様々なシナリオを与え,結果はその統計値となる.対象は利根川流域(関東平野),富士川流域(甲府盆地),メコン川下流域(カンボジア・ベトナム),ブランタス川流域(インドネシア),チャオプラヤ川流域(タイ)とする.その中で,本年度は研究の準備を完全に整えることができた.具体的には,大量の計算を行うために,気象庁・気象研非静力学モデルを,東北大学のスーパーコンピューター(SX-6),山梨大学のクラスタ計算機環境などの並列計算機環境に移植し,初期条件データを入力することで計算が実行でき,解析を行うことが可能な環境を整えた.さらに大量の初期条件データを入力し,大量の計算結果を出力する必要があるため,そのために必要な解析プログラムを開発した.また,初期条件データとしては,気象庁気候研究部および地球シミュレーターセンターと調整し必要な計算結果を入手可能な状態にしている.最後に,平成16年度においては試計算としてメコン川流下流域において2003年8月の気象条件における可能最大降水量の計算を行った.その結果,本研究の方法を用いれば可能最大降水量の算出と深度・面積・頻度解析を行うことが十分可能であることを確認した.
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