2005 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動と都市化を考慮した豪雨災害リスク算定に関する研究
Project/Area Number |
16760407
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大石 哲 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (30252521)
|
Keywords | 可能最大降水量(PMP) / 深度・面積・頻度解析(DAD) / 気候変動 / 都市化 / アジア域 / 流域 / 並列計算 / 数値計算 |
Research Abstract |
本研究では平成16年度から平成18年度までの3年間で,6時間程度の可能最大降水量の算出と深度・面積・頻度解析を行うことを対象に,それが,今後100年間の気候変動および都市化の影響を受けた結果を算出する.もちろん,気候変動や都市化の影響は様々なシナリオを与え,結果はその統計値となる.対象は利根川流域(関東平野),富士川流域(甲府盆地),メコン川下流域(カンボジア・ベトナム),ブランタス川流域(インドネシア),チャオプラヤ川流域(タイ)とする.その中で,本年度は東北大学のスーパーコンピューター(SX-7)に非静力雲解像モデルCReSSを導入し,1950年から2000年までの初期条件データを入手し,完全な計算環境を整えた.一方で,都市化・気候変動の影響を考慮するために気象庁気象研究所の高解像度気候モデルの出力を入手する算段を整えた. その上で,1997年の豪雨をテストケースとしてメコン川中下流域の大規模領域で計算を行い,降水量を指標として,地上降雨データやグリッド化された月平均降雨データなどと比較し,システムの検証を行った.それによって,本モデルを用いると降雨量自体は相当な過小評価となるが,降雨面積,降雨継続期間などの値は信頼することができると思われた.その結果,本研究の方法を用いれば可能最大降水量の算出と深度・面積・頻度解析を行うことが十分可能であることを確認した.
|