2004 Fiscal Year Annual Research Report
波-構造物-地盤の相互作用に関する総合的解析法の開発
Project/Area Number |
16760413
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山城 賢 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70336014)
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Keywords | 波動場解析法 / BEM / VOF / FEM / 不規則波 / 波と構造物の干渉 / 波の打上げ / 画像解析 |
Research Abstract |
本研究では,これまでに申請者が開発した新たな波動場解析法(BEM-VOF結合波動場解析法)に構造物と海底地盤の解析に実績のある有限要素法(FEM)を結合することで,沖合いから汀線までの広範囲について,時々刻々変化する不規則な波動場を総合的に把握し得る数値解析法を開発することを目的としている. 平成16年度の主な研究成果は次のとおりである. まず,BEM-VOF結合波動場解析法の適用性の拡大を目指し,不規則波が潜堤などの没水構造物に入射するといった,より現実的な問題を対象に数値解を水理模型実験により検証した結果,BEMとVOFの結合部分で短周期の振動が発生し計算が不安定になることが判明した.これは,BEMとVOFの結合には,入射波波長の3割程度の結合領域(BEMとVOFの計算領域が重なった領域)が必要なためである.そこで,入射波の波長に依存せず安定した計算を実現するため,結合領域内でBEMとVOFの両者の水面波形を無理なく接続するよう計算アルゴリズムおよび結合法そのものの改良を行った.これにより不規則波を対象とした計算においても安定して長時間の計算が行えること,および波動場の計算精度が格段に向上したことを確認した. ついで,BEMとVOF法ではBEMの方が計算精度に優れており,本波動場解析法の計算精度はVOF法の計算精度に依存することから,複雑な波動現象に対するVOF法の計算精度を十分に把握するため,直立護岸に対する波の打上げを対象に,VOF法による現象の再現性の限界について水理模型実験による検証を行った.実験では高速度カメラで撮影した画像をPIVにより解析し波動場の流速ベクトルを求め計算結果と比較した.その結果,打上げ先端の様子など局所的には再現が困難であるものの,セルや計算時間間隔を適切に設定することで全体的な流速場や水面変動は良く再現できることを確認した.
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