2005 Fiscal Year Annual Research Report
地域間コンフリクト時代におけるネットワーク型社会基盤の分権的整備・維持方策
Project/Area Number |
16760419
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福山 敬 東北大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (30273882)
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Keywords | ネットワーク / ゲーム理論 / 社会基盤整備 / 地方分権 / コンフリクト / 協調 / 道路整備 / 地方財政 |
Research Abstract |
ネットワーク型インフラ整備は,新設整備費用と既存維持費用との間,複数の代替的地域の交通インフラ整備案の間,他の社会基盤行政サービス整備との間など,異なる地域やサービスや人々の間のコンフリクトを必然的に孕んだ中で「あれか・これか」の整備決定を行わなければならないという新たな時代にあると言える.社会基盤整備が利害対立を持ちつつも最終決定が多くの人々の支持を得るためには,利害対立者が「納得」できる新たな整備決定制度が絶対的に必要となる.本研究では,コンフリクト時代のネットワーク型社会基盤(特に高速道路ネットワーク)の維持・整備の決定方法に関して,中央・地方政府,利用者・住民,企業など,複数の利害関係者が整備決定に参画する分権型社会基盤整備制度の有効性を理論モデルによって明らかにするものである。研究初年である前年度(平成16年度)は,高速道路網の整備に関して,利用者,供給/維持管理主体,地方政府,中央政府など,多数の関連主体による分権的意思決定の基本モデルを構築した.本年度は,前年度に開発した2つの基本モデルである(1)フェース・ツウ・フェイス・コミュニケーションのためのインフラとしての交通ネットワークの分権的整備モデル(3地域リンクフォーメーションゲームモデル)と,(2)物流基盤としての交通ネットワークの2地域2財経済一般均衡モデルの2つについて拡張を行った.(1)については,最近のリンクフォーメーションゲームの理論的発展をレビューするとともに,整備制度・中央政府による干渉が整備水準に及ぼす影響について考察を進めた.(2)については,ネットワーク型社会基盤の代替的整備方法の選定を選定しモデルの精緻化を行う.より詳細には,中央政府決定型,地方政府競争・協調型,という複数の代替的整備決定ルールに対し,詳細な決定ルールおよび主体の責任と決定権を明確化し,均衡解を詳細に分析しその性質を解明した.
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Research Products
(2 results)