2004 Fiscal Year Annual Research Report
デマンド対応型交通システム評価に関する手法論的研究
Project/Area Number |
16760425
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
倉内 文孝 京都大学, 工学研究科, 助手 (10263104)
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Keywords | デマンド応答型交通システム / 車両割り当てアルゴリズム / 公共交通 / サービス評価 |
Research Abstract |
研究初年度である本年度には,デマンド対応型交通システムの核となる割り当てアルゴリズムの開発を行った.具体的な内容は以下の通りである. (1)デマンド対応型交通システムの周辺条件の整理 デマンド対応型交通システムを一般公共交通システムとして位置づける場合,乗客及びサービス事業者が自身にとって有益であるものでなければならない.サービス事業者側にとっては有益であっても乗客に不利益を被るものであれば,乗車需要の確保が難しく,公共交通として評価できないものとなりうる.そのため,一般公共交通システムとして持つべき性質,すなわち乗客デマンド割り当てアルゴリズムの構築に当たって考えなければならない周辺条件を整理した.また,海外におけるデマンド対応型交通システム導入事例を収集し,成功理由や割り当てに関して考慮すべき点についての調査を実施した.さらに,関連する会議,講演会などに出席することで資料収集を行った. (2)DaRP(Dial-a-Ride問題)に関する論文レビュー 主としてオペレーションズリサーチの分野で多く提案されているデマンド割り当て問題(DaRP)の解法アルゴリズムに関して論文レビューを行い,それぞれの特徴および問題点を明らかにした.特に乗客の乗車・下車希望時刻の考慮の有無,走行中の車両にデマンドを割り当てることの可否,セミデマンドシステムへの対応可能性などの観点から,各割り当てアルゴリズムを比較した. (3)乗客デマンド割り当てアルゴリズムの開発 (1)の周辺条件と(2)の既存アルゴリズムを参考に,実用性の高い乗客割り当てアルゴリズムの構築を行った.問題の定式化,バスの巡回ルートの表現方法などの検討を加えるとともに,定式化した問題の解法について考究し,仮想デマンドを用いて,アルゴリズムの妥当性の検討を行った.その結果,構築したアルゴリズムは想定した機能を有することが確認された.
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