2004 Fiscal Year Annual Research Report
市街地の密集度評価における高空間分解能衛星データの応用アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
16760436
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
熊谷 樹一郎 摂南大学, 工学部都市環境システム工学科, 助教授 (00319790)
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Keywords | 高空間分解能衛生データ / 緑被率 / NDVI / 空間的自己相関 / 土地利用 / 密集度 |
Research Abstract |
本研究では、市街地の密集度評価を対象として、高空間分解能衛星データの応用アルゴリズムの開発を試みた。具体的には次の2点のアプローチを実施した。 1.高空間分解能衛星データを適用した緑被地分布分析への応用可能性 市街地の密集度を分析するには、従来から検討してきた建物そのものの密集状態や街路パターンなどに加えて、植物の分布状態も考慮していく必要がある。そこで本研究では、高空間分解能衛星データに観測されている植生情報を適用したアルゴリズム開発を実施した。 (1)高空間分解能衛星データによる緑被率推定 高空間分解能衛星データに大気補正などを実施した上で植生指標(NDVI)を計算し、土地利用項目ごとのサンプリングデータから緑被率を推定するシステムを開発した。 (2)ディシジョンツリーに基づいた緑化計画支援アルゴリズムの開発 得られた緑被率を計画策定への支援情報として利用していくアルゴリズムを開発した。具体的には、現状の土地利用状態と緑被状態とを点レベル、局所領域レベルといった2つの視点から比較し、緑化の推進が容易な箇所を誘導する分析方法を取りまとめている。 2.広域的な緑被地分布への適用可能性 (1)広域的な緑被率の推定精度の検証 市街地の密集度を評価していくには、広い範囲から注目する領域の位置づけを明確することも大切である。そこで、Landsat ETM+データを開発したシステムに適用した上で、広域的に緑被率を計算した。対象領域とした大阪府の精密調査データと計算した緑被率とを比較したところ、妥当な推定値の得られていることが確認された。 (2)空間的自己相関を適用した緑被地の連続性に関する分析 得られた広域的な緑被率を「緑の存在指数」として定義した上で、空間的自己相関を適用し、緑の広がり・空間的な連続性などを分析する新たなアルゴリズムを開発した。
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Research Products
(6 results)