2005 Fiscal Year Annual Research Report
オゾンを用いた余剰汚泥削減型活性汚泥法による下水の高度処理特性と操作因子
Project/Area Number |
16760444
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西村 文武 愛媛大学, 工学部, 助教授 (60283636)
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Keywords | オゾン添加活性汚泥法 / 下水処理 / 高度処理 / オゾン処理 / フェノール |
Research Abstract |
家庭や化学工場からの下排水中には、BOD物質と称される生物易分解性の物質のみならず、生物による代謝反応を受けにくい様々な化学物質が含まれている。その中のひとつであるフェノール類は防腐剤や消毒剤など様々な用途に使用されており、これらフェノール類は微量でも微生物の活性を阻害する恐れがあり、標準活性汚泥法では処理できない可能性がある。一方、標準活性汚泥法にオゾンを加えるオゾン添加活性汚泥法という手法がある。これは直接、汚泥にオゾンを添加することで、汚泥が溶解し余剰汚泥の削減が行える。また汚泥の性状が改善されることでバルキング抑制の効果にもつながることが報告されている。ゆえに生物処理の機能向上に加えて、オゾンの酸化作用により生物難分解性物質の分解も行えると思われる。そこで本研究では、オゾン添加活性汚泥法による連続実験を行い、フェノール分解特性と窒素処理特性、そして汚泥の性状について知見を得ることを目的とした。結果として、フェノール濃度37〜48mg/L、オゾン吸収率11〜15mgO_3/gSSの時、汚泥の活性は阻害されず硝化反応が進行し、フェノール濃度60〜62mg/L、オゾン吸収率32mgO_3/gSSの時、SVIはバルキング状態から改善された。またフェノール濃度107mg/L、オゾン吸収率21mgO_3/gSSの時、SVIは空気系列より安定していた。ゆえに、オゾンの酸化力と汚泥の生物処理によりフェノールが分解され、なおかつ汚泥の沈降性は改善された。よってオゾンを添加することで従来の機能改善効果に加えて、処理安定性の観点からも有効であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)