2004 Fiscal Year Annual Research Report
屋外環境を再現した環境劣化試験方法の開発と建築材料の性能を明示した設計法の提案
Project/Area Number |
16760448
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮内 博之 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (40313374)
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Keywords | シーリング材 / 人工劣化 / 試験装置 / 屋外暴露試験 / 促進劣化試験 / ムーブメント / ウェザリング |
Research Abstract |
本研究では第一段階として、屋外の劣化環境を室内で人工的に再現する人工劣化試験装置を開発した。 そのためにまず、実際のカーテンウォール目地部の動きを模擬できる動暴露試験装置を用いて、屋外環境劣化因子(材料温度、日射および水分)とムーブメントを実測した。具体的には、ムーブメントは差動トランスにより、材料温度は熱電対により、日射については日射計により、そして降雨は雨量センサーにより測定した。また、これら屋外で得られたデータを、室内で以下のような方法で同期させることにより、人工的に劣化を再現した。 各劣化因子の再現方法としてムーブメントの再現は移動板を往復運動させる機構を用い、材料温度の再現はチャンバー内部で温度を制御することにより再現した。日射についてはスペクトル及び日射量を再現する必要があるが、スペクトルに関しては日射中に存在する各波長域に対応した3種類ランプの組合せにより再現し、日射量についてはランプの数を変えることでコントロールした。水分の再現は貯水槽の制御により降雨させる機構を採用した。その結果、ムーブメントについて0.1mmの誤差範囲で追従でき、材料温度については昼部では1〜2℃で、夜部では3〜4℃の誤差範囲で再現できた。日射量については屋外とほぼ同程度に再現でき、また日射スペクトルについては約60%程度で近似させることが出来た。また、水分の再現に関しては約2時間程度で再現できた。 最後に、本試験装置の劣化再現性を確認した。試料に2成分形ポリウレタン系シーリング材を用いた。試験体は、屋外暴露試験体、本人工劣化試験装置により劣化を与える試験体、及び劣化を与えない試験体の3種類とした。劣化の判定については目視、ひび割れ及び変色観察により行なった。結果として、変色の状況から判断して劣化状態がほぼ近い状況に再現されることが確認できた。 これより、屋外の劣化環境を再現する人工試験装置を開発し、安定的に劣化を再現することができ、シーリング材の変色の状況から屋外環境に近い条件で劣化を与えることができた。
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