2004 Fiscal Year Annual Research Report
高機能磁気流体ダンパーを用いたセミアクティブ制振に関する研究
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16760458
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
菅野 秀人 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助手 (20336449)
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Keywords | 磁気混合流体 / 混合比 / レオロジー特性 / MRダンパー / 動的加力実験 / 履歴消費エネルギー / 可変減衰能 |
Research Abstract |
1.磁気混合流体のレオロジー特性評価 粒子径の異なるμmオーダのカルボニル鉄粉と10nmオーダのマグネタイト粒子を混合分散させた磁気混合流体について,その混合比が流体のレオロジー特性に及ぼす影響を把握するため,4種類の混合比の異なる流体を作成し,平行円盤型粘度計を用いて粘度測定を行った。その結果,流体は既往のMR流体と同じ擬塑性流体の傾向を示すが,その降伏応力は,μmオーダの粒子濃度に依存傾向が強いことが分かった。しかし無磁場時の粘度については,明確な傾向は見られなかった。 2.シリンダダンパーの性能評価 本流体を用いた単筒式片ロッド型シリンダダンパーによる,振動台を加振源とする動的加力実験を行った。実験の結果,無磁場状態から磁場を印加することで履歴ループの面積,すなわちダンパーが消費するエネルギー量が,最大で約2.8倍となることがわかった。また,流体の混合比よる履歴吸収エネルギーには大きな違いが見られ,μmオーダの粒子濃度が高い程,磁場印加による履歴吸収エネルギー量が大きくなり,さらにnmオーダの粒子が適度に混合されることにより,さらにエネルギー吸収能力は高まる知見を得た。最適なnmオーダの粒子濃度については,平成17年度の検討課題とする。 3.セミアクティブ制御の数値解析的検討 流体の粘度測定結果から,数値モデルを作成し,セミアクティブ制振デバイスとしての有効性を検証するため,数値解析による検討を行った。制御則には振動系の弾性振動エネルギーに基づいてダンパーの減衰力を決定するEnergy Function制御を採用した。数値モデル化については,ダンパーの減衰力の発生機構を流体の層流,乱流,降伏せん断にモデル化することで,実験結果と概ね一致することを確認した。また,エネルギー応答に基づいた制御により,外乱の入力レベルに応じた制御が可能であることを確認した。
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Research Products
(3 results)