2004 Fiscal Year Annual Research Report
偏心を有する構造物系の崩壊メカニズムと損傷集中にともなう崩壊を防止する技術の開発
Project/Area Number |
16760465
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Research Institution | The Association for Earthquake Disaster Prevention |
Principal Investigator |
山下 忠道 財団法人震災予防協会, 研究員 (00342527)
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Keywords | 崩壊メカニズム / 耐震性能 / 偏心 / 減衰 / 非比例 / ダンパー / 捩れ / 応答制御 |
Research Abstract |
本年度の研究実績として、「構造物の崩壊メカニズムに関する検討」、「建物の耐震性能と地震被害の関係」、「地盤と建物との相互作用に関する影響」、「偏心を有する建物の高減衰化にともなう地震応答予測」の4点が挙げられる。また、振動台実験の予備的段階として、架構への制震部材の導入を図り、その動的な振動性状について検証を行った。具体的な成果として、「構造物の崩壊メカニズムに関する検討」ならびに「地盤と建物との相互作用に関する影響」については、既研究の検証方法のほかに構造物への地震入力エネルギーの消費分担に関する検討を加えて、構造物の履歴特性に対する崩壊現象・地盤逸散減衰の関係を明らかにした。「建物の耐震性能と地震被害の関係」では、建物の地盤条件を無視し、耐震性能(Is値)を評価することは、実際の地震被害と一致しないことを明らかにした。また、「偏心を有する建物の高減衰化にともなう地震応答予測」では、捩れ振動をともなう建物に減衰要素を効果的に配置した場合の減衰性能を精確に評価し、粘性系ダンパー等を各剛性要素に対して非比例的に配置した建物について、煩雑な直接積分法ならびに複素固有値計算を用いることなく、比較的簡単に地震応答を予測できる計算方法の検討を行っている。 尚、来年度については、これらの研究成果を取りまとめ、偏心を有する構造物系の崩壊メカニズムの解明を、また、各種減衰要素(減衰ダンパー)を、偏心を有する建物に効果的に配置して、捩れ振動をともなう建物の地震応答制御法(損傷集中による崩壊を防止する技術の開発)の提案を行う。
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Research Products
(9 results)