2004 Fiscal Year Annual Research Report
建築杭基礎敷設規模全国調査と実証実験によるエネルギーパイルシステム導入可能性評価
Project/Area Number |
16760468
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
濱田 靖弘 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40280846)
|
Keywords | 地下熱利用システム / 建築杭基礎 / 地中熱交換器 |
Research Abstract |
地下熱利用システムの経済性を考慮した実現の可能性に関して,建築物の杭基礎を空調用熱交換器として利用するエネルギーパイルシステムの導入ポテンシャルを全国的に調査するとともに,実際の住宅,事務所に本システムを導入し,省エネルギー効果とコスト削減効果に関する検討を行った. (1)建築物の杭基礎を空調用熱交換器として利用するエネルギーパイルシステムの導入可能性評価を目的として,建築物杭基礎敷設規模全国調査によるデータベースを作成した.現在の収録件数は345件である. (2)建築物仕様の調査結果を整理した.今回,対象とした物件の延床面積は,最小で100m2,最大で50899m2であった. (3)杭基礎仕様の調査結果を整理した結果,PHC杭の利用頻度が最も高く,46%を占め,次いでPC杭が18%,回転貫入鋼管杭が13%であった. (4)建築物規模と杭基礎規模との関係について検討した.建築物規模が大きくなるほど杭基礎規模も大きくなるという傾向が見受けられたが,杭の種類により特徴的な分布が見られため,全体的にばらつきが大きかった. (5)札幌における熱需要量と地下熱賦存量の関係について検討した.24時間連続運転により,調査件数全体の約42%において,エネルギーパイルシステムのみで建築物の暖房需要量をすべて賄うことができる可能性があることがわかった. (6)札幌におけるエネルギーパイルシステムの導入効果の評価を行った.暖房期間の運転において,従来システムに対して,一次エネルギー削減率は30%程度,CO2削減率は30%から45%程度,ランニングコストは5%から40%程度と非常に導入効果の高い結果となった.
|