2004 Fiscal Year Annual Research Report
建物内外気流の流管解析に基づく集合住宅の通風量予測法に関する研究
Project/Area Number |
16760474
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
甲谷 寿史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20243173)
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Keywords | 集合住宅 / 通風 / 流管解析 / CFD |
Research Abstract |
1)建物壁面近傍流の性状に基づく開口部への流入風向の予測法 既往研究で測定している壁面近傍流(壁面と平行方向気流)データを解析し、開口部への流入風向を開口に対して直交方向と平行方向のベクトル合成によって予測する手法を開発した。開口に対して直行方向の成分は風圧係数を用いた換気計算による値を初期値として、既往研究で得られている流入風向と開口部の圧力損失係数との関係式を用いた収束計算により、開口部への流入風向を得る手法であり、簡易に計算が可能である。既往の実験結果とは良好な一致が見られ、その成果は平成16年9月開催の国際会議(9^<th> International Conference on Air Distribution in Rooms)にて口頭発表した。 2)風洞実験による建物内外気流の流管解析 種々の開口パターンを持つ室の縮小模型を用いた風洞実験により、可視化、室内外にわたる開口部中心軸上の全圧・静圧・風速分布(速度圧)、室内壁面静圧、室外壁面風圧の測定を行った。結果、開口部中心軸上では流入開口での全圧損失は見られず、流出側開口周辺の壁面に衝突する領域で全圧損失が発生していることや、開口部が大きくなるに従い、その損失量が小さくなることを実験的に明らかにした。 3)CFD解析による建物内外気流の流管解析 乱流モデルとして標準k-εモデル及び応力方程式モデル、及びメッシュ数をパラメータとしたCFD解析により、風洞実験と同じ対象に関する解析を行い、実験で得られない詳細な内外気流の流管に関する情報を得た。実験結果との比較により、標準k-εモデルでは全圧分布や静圧分布が再現できないことが分かった。これは風上側壁面でのkの過剰生産が原因であるが、応力方程式モデルは計算負荷が大きく増加するために、改良型のk-εモデルの採用が望ましいことが示唆された。
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