2004 Fiscal Year Annual Research Report
Damp Buildingの発生メカニズム解明と防除に関する研究
Project/Area Number |
16760477
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
長谷川 兼一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (50293494)
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Keywords | 住宅 / 居住環境 / 湿気 / 結露被害 / 健康影響 / アレルギー / ダニ・カビ / Damp Building |
Research Abstract |
本研究は,湿気に起因する健康影響のメカニズムを解明し,その防除策としての設計手法を提案することを目的としている。本年度は以下の3点を実施した。 (1)湿度環境と健康影響に関する国内外における動向を把握するとともに,問題の所在を明らかにすることを目的として文献調査を行った。湿度環境と健康影響に関する国内外における文献をカテゴリーに分類し,それぞれの動向を把握した。国内において結露やカビ・ダニに関する研究は多数見られたが,建築分野での曝露量と健康影響との関連を検討している研究例はまだ少ないと言える。日本と海外とでは結露被害の状況に違いが見られるため,日本では欧米諸国とは異なるDamp Buildingの問題が生じる可能性が高い。日本における湿気による被害は潜在的に多いと推察されるため,今後は健康影響を視点として実測調査を行うことにより我が国におけるDamp Buildingの実態を把握する必要がある。さらに,微生物曝露に関しては各研究者によって測定方法が異なり統一されておらず,既存データの汎用性が低いことから,各測定方法を評価する必要があるといえる。 (2)文部科学省が主導で実施している児童の健康状態に関する調査のうち,特に,秋田県の状況を把握するために,教育委員会より,資料の提供を受けて,児童等の健康状態について調査を行い,秋田県ではアレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎が増加の傾向にあり,高い有病率になっていることがわかった。 (3)秋田県本荘市内の児童を対象に,居住環境と健康被害に関するアンケート調査を行い,健康影響が見られた住宅のほとんどは比較的新しい住宅が多いことがわかった。健康状態については,何らかの症状がある児童が全体の76%であり,結露やカビの問題がある住宅が多かった。今後,健康障害があった住宅に対して住宅との関連について実測調査を進める予定である。
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Research Products
(3 results)