2004 Fiscal Year Annual Research Report
コアハウジング住宅地の居住変容過程に関する研究-ラテンアメリカを対象として-
Project/Area Number |
16760483
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
田中 麻里 群馬大学, 教育学部, 助教授 (10302449)
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Keywords | コアハウジング / 発展途上国 / サイツ&サービス事業 |
Research Abstract |
発展途上国では1970〜80年代に世界銀行の大規模な融資のもと各国でサイツ&サービス事業が実施された。本研究では、その事業の一部として建設されたコアハウジング住宅地を研究対象としている。コアハウジングとは、電気や水道といった最小限の基盤整備を施した小規模な敷地を供給し、住宅については人々の自助努力に委ねる事業である。コアハウジングの事後展開、計画住宅地の居住変容過程について、居住者と供給サイド、居住者支援組織の果たした役割を考察し、コミュニティや居住者主体による住宅づくりのあり方に関する指針を得ることが大きな目的である。 初年度は文献調査を中心にアジア、アフリカ、ラテンアメリカなどコアハウジング事業が行われた国や地域の見取り図を作成し、全体像の把握に努めた。世界銀行は1972-81年に11事業を行っているが、事業後評価はコスト面を中心に4カ国を比較したレポート(エルサルバドル、フィリピン、セネガル、ザンビア)があるものの、居住環境の形成状況については不明である。世銀以外の資料および文献によると、コアハウジング事業には国や地域の社会背景によって相違がみられ、都市出稼ぎが多いアフリカの都市では、初めから一部を賃貸できるようなコアハウスも建設されており、計画概要にも相違がみられる。アジアやラテンアメリカでは持家ベースで増改築を行いながら住宅地が形成されてきているが、社会住宅として現在までコアハウスが建設されている地域もあり、コアハウジング事業がその後の住宅供給に及ぼした影響や関連性についても引き続き明らかにしていきたい。
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