2004 Fiscal Year Annual Research Report
遊園地・宝塚新温泉における設備更新の過程と形成された娯楽空間の変遷に関する研究
Project/Area Number |
16760522
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Research Institution | Bunka Women's University |
Principal Investigator |
安野 彰 文化女子大学, 造形学部, 講師 (30339494)
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Keywords | 遊園地 / 宝塚 / 娯楽施設 |
Research Abstract |
阪急学園池田文庫(戦前当時は宝塚文芸図書館)が、戦前期を中心に新聞記事に掲載された宝塚新温泉ならびに宝塚歌劇関連記事のスクラップ集を通覧し、施設や設備について触れているものを抽出した。ここで宝塚歌劇の記事に注意したのは、当初から、遊園地・宝塚新温泉の主要な娯楽として位置づけられていたためである。ここで得られたデータならびに、書籍、宝塚歌劇団の機関誌にあたる雑誌『歌劇』をはじめとする逐次刊行物からの情報を加味し、まずは、現存する建築物として、昭和6年に建設された宝塚文芸図書館、ならびに昭和10年に竣工した宝塚公会堂の建設経緯、使用方法等について整理することができた。その他にも、更新について、年代や前後関係が不明であった設備について、数多くの知見を得ることが出来た。 また、宝塚新温泉の建築物を設計・施工した、株式会社大林組ならびに株式会社竹中工務店に所蔵される建築図書ほかの資料を閲覧したところ、未公開の図面が少なくないことが判明した。これらの資料から、改修される以前のデザインのあり方等について、新規の知見を得ることが出来た。特に、上記した公会堂については、設計者および施工者が不詳とされていたが、今回の調査で、竹中工務店により設計・施工されたことが明かとなった。 また、当時の宝塚新温泉の類縁施設、造園関連の資料、主導者である阪急電鉄と小林一三に関わる書籍類を収集した。これらから、当該施設の設備について、評価を与える情報を得ることが出来た。
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