2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760533
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有田 誠 九州大学, 工学研究院, 助手 (30284540)
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Keywords | プロチウム / 酸化物 / 薄膜 |
Research Abstract |
様々な比率のSn-Ge系酸化物薄膜を作製しそれらにプロチウム導入を施し光学・電気特性を調査した。Sn比率23%,50%,80%の酸化物薄膜を、RFスパッタリング法により作製した。SnO_2およびGeO_2粉末を所定の比率で混合・圧縮成型し、約700℃の空気中で6時間焼結した物をターゲットとして使用した。スパッタリングガスはArとO_2の混合ガスでO_2の比率は20〜80%とし、圧力30mTorrで供給電力150Wにて成膜を行った。作製したすべての酸化物薄膜試料は、プロチウム導入前の状態において可視光(400〜700nm)の透過性に非常に優れていた。また、電気伝導率はそれぞれ、約10^5Ωcm,約10^5Ωcm,10^3〜10^4Ωcmであり、全て絶縁性を示した。23%および50%Snを含有する薄膜はX線回折により特定の回折ピークは確認できず、アモルファス構造であると考えられる。一方、Sn80%含有試料ではルチル型SnO_2に由来する回折ピークが得られた。それぞれの薄膜試料の光学バンドギャップ値を透過率スペクトルより求めたところ、4.4eV(間接遷移),3.4eV(間接遷移),4.0eV(直接遷移)であった。これらの酸化物薄膜に、イオンガンを用いて加速電圧4.8kVにてH_2^+イオン注入を行いプロチウム導入による諸特性の変化を調べた。ドーズ量2x10^<16>cm^<-2>のプロチウム導入により、80%Sn試料は約4桁の電気伝導率の向上が確認された。23%および50%のSnを含有する薄膜ではプロチウム導入に伴う電気伝導率の変化はみられなかった。プロチウム導入により可視光領域の透過率はわずかに減少した。また、80%Sn試料ではプロチウム導入に伴い、吸収端付近で比較的大きな透過率の低下がみられた。 上述の実験と平行して、光学・電気特性評価装置の真空系統の組み立てを行った。電気測定の動作確認も含めて、Ge添加ZnO薄膜試料の電気測定を行った。
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Research Products
(1 results)