2004 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧技術を用いた窒化ガリウム-窒化アルミニウム合金のバルク単結晶育成
Project/Area Number |
16760538
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
齋藤 寛之 特殊法人日本原子力研究所, 放射光科学センター・極限環境物性研究グループ, 博士研究員 (20373243)
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Keywords | A1xGa1-xN / GaN / 高圧融液徐冷法 / 放射光その場観察 / 固相反応 |
Research Abstract |
研究代表者らは放射光を用いた高温高圧下その場観察実験から6.0GPa以上の高圧下で窒化ガリウムは分解することなく一致溶融することを見出し、その融液を徐冷すること(以下高圧融液徐冷法)によって単結晶窒化ガリウムが得られる事を明らかにした。この手法を用いてAlxGa1-xN半導体合金の融液からの結晶育成と高温高圧下での温相反応を利用した多結晶焼結体の合成をおこなった。 AlxGal-xN半導体合金について、高Ga濃度領域(x=0.1)の結晶を高圧融液徐冷法により成長させた。AINとGaN粉末をモル比1:9で混合した粉末を初期物質とした。試料を6.0GPaまで加圧したのちに2400℃まで加熱し徐冷することで約100tLmの結晶を育成した。この結晶についてSEM観察およびEDSによる元素分析から均質な単結晶が得られていることを確認した。一方純粋なAINの融点は3000℃を超えることが予想される。AIN-GaN半導体合金は全率固溶体である。高Al濃度領域の結晶を融液から成長させるには安定した高温発生が必要である。これは技術開発が必要であり今後の課題である。 6GPa,800℃以上で、AlNとGaNの混合粉末が固相反応することを放射光その場観察で見いだした。この固相反応を利用し0≦x≦1の組成領域でAlxGal-xN多結晶焼結体を合成した。得られた試料について、仕込み組成と格子定数の関係を測定した。格子定数はa軸およびc軸ともに仕込み組成に対して連続的に変化していて、任意組成のAIxGal-xN半導体合金が得られていることを確認した。 来年度以降は、以上の手法により得られたAlxGa1-xN半導体合金を用いて、組成とバンドギャップエネルギーの関係を実験的に決定する事を目的とする。
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