2005 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧技術を用いた窒化ガリウム-窒化アルミニウム合金のバルク単結晶育成
Project/Area Number |
16760538
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
齋藤 寛之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 博士研究員 (20373243)
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Keywords | 高温高圧 / 結晶成長 / III族窒化物 / 窒化ガリウム / 窒化アルミニウム / 放射光 |
Research Abstract |
本研究は研究代表者により開発された新しい窒化ガリウム単結晶合成、すなわち高圧下で分解を抑制し安定に試料を加熱することで単結晶を育成する手法をもとに、任意組成の窒化アルミニウム-窒化ガリウム合金のバルク単結晶育成を行い、格子定数およびバンドギャップエネルギーの組成依存性を実験的に決定することを目的とする物である。 窒化アルミニウム-窒化ガリウム合金のバルク単結晶育成に必要な5.5GPa,2400℃の高温高圧を安定して発生できるセルを開発した。窒化アルミニウム単体の融点は3000℃以上である。高アルミニウム濃度の窒化アルミニウム-窒化ガリウム合金の結晶育成には2400℃以上の高温を超高圧下で安定して発生させる必要がある。一方で高温下では圧力抜けが発生するため、圧力と温度がトレードオフの関係になる。セルを構成するパーツの形状・材料などをかえて放射光その場観察で温度圧力を測定し、セル設計の最適化を行った。 出発物質中に不純物として含まれる酸化ガリウムが、高温高圧下での窒化アルミニウムと窒化ガリウム間の固相反応の開始温度を下げることを見いだした。研究代表者は6.0GPa,800℃以上で窒化アルミニウムと窒化ガリウム粉末が固相反応し合金を形成することを見いだした。一方、特殊な製法で作製された高純度の窒化ガリウム粉末を出発物質として使用した場合、この固相反応が1800℃まで開始しないことが放射光その場観察実験で明らかになった。回収試料の分析から、不純物である酸化ガリウムがこの反応において触媒的な役割をしていることがわかった。
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