2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760541
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 剛 東京大学, 物性研究所, 助手 (80345230)
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Keywords | 単結晶基板 / 表面 / PLD / 酸化物 / 薄膜 |
Research Abstract |
ステップは結晶面と基板の切り出し面が一致していない(一致できない)ことにより生じるため、ステップ密度はそれらの面がなす傾斜角によって決まる。ステップ密度の変化には基板表面上での物質輸送が欠かせないが、その代わりに基板と同じ材料をパルスレーザー堆積法(PLD法)を用いて、傾斜方向に堆積量(膜厚)を傾斜させることでステップ密度の増減をおこなう。膜厚の傾斜には高精度な可動マスクを備えたPLD装置が必要であり、現在まで本装置の立ち上げをおこなってきたが、可動マスクの制御までには至っていない。 しかしながらこの開発期間を利用して、1.膜厚傾斜無しのホモエピタキシャル薄膜に関する研究(SrTiO_3)、2.ステップ密度を制御した基板上に形成する予定の導電性ナノ細線の研究(SrTiO_3埋込型LaTiO_xナノ細線)、及び3.電界誘起界面電子キャリアの研究(CaHfO_3/SrTiO_3界面)を遂行してきた。 1.ステップ密度制御にはホモエピタキシャル成長が欠かせないが、その膜質は単結晶基板と同等またはそれ以上であるべきである。一般に薄膜物性は単結晶のそれより劣るが、劣化原因はハッキリしていなかった。そこで特にPLD法における薄膜成長機構に関して研究を進め、アブレーション用レーザーの使用条件により薄膜の組成ズレを含めた格子欠陥が生じ、物性劣化に寄与していることを明らかにした。 2.高温での薄膜成長モード:ステップフローを利用してSrTiO_3基板上に元々存在するステップのエッジに沿ってLaTiO_xを形成し埋め込むことで導電性ナノ細線の形成に成功した。 3.CaHfO_3ゲートSrTiO_3チャネル電界効果トランジスタは本プロジェクト以前に完成していたが、移動度の温度変化がバルクとは異なりその原因が不明であったが、界面準位に起因することを突き止めた。
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Research Products
(4 results)