2004 Fiscal Year Annual Research Report
天然繊維で強化した生分解性樹脂オールグリーン複合材料の創製と衝撃材料物性評価
Project/Area Number |
16760554
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
高橋 明宏 都城工業高等専門学校, 機械工学科, 助手 (90370056)
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Keywords | 竹繊維 / 麻繊維 / 生分解性樹脂 / 複合材料 / 力学的性質 |
Research Abstract |
天然繊維強化生分解性樹脂複合材料の創製には、強化繊維とマトリックス樹脂の剛性や強度を十分把握しておくことが重要であるが、それぞれの材料物性や変形・破壊挙動については未知の部分が多い。そこで本研究では、天然繊維の引張試験を行い、試験速度および繊維長さ依存性を調査した。 供試体として、竹および麻(マニラ・ラミー・ザイザル)の各繊維を用いた。竹繊維は、所定の爆砕処理を施し、繊維間の木質リグニンを脆弱化させ、繊維束を選択的に採取した。麻繊維は縄状になった製品を入手し、アルカリ処理を施し試験に供した。 引張試験は、繊維長さ25mm一定とし、試験速度を1、3、10、30および100mm/min.(ひずみ速度:6.7×10^<-4>〜6.7×10^<-2>[1/s])とした。また試験速度1mm/min.一定とし、繊維長さを10、25、50および100mmに変化させた場合の試験も行った。 各天然繊維の引張変形・破壊挙動は、荷重負荷開始とともに直線的にひずみが増加する変形抵抗挙動を示し、最高引張強さに達した直後に破壊するといった脆性破壊挙動が認められた。 最高引張強さのひずみ速度変化はほとんど認めらなかった。 最高引張強さの繊維長さ変化は、繊維長さが長くなるとともに強度が低下する傾向が認められた。竹繊維では繊維長さ100mmの平均強度は繊維長さが10mmよりも約53%迄低下した。これは繊維長さが長くなることで、内在する欠陥が増大し、変形途中にマイクロクラックが多量発生するためだと考えられる。他の研究では、繊維長さ25mmで繊維の強度評価を行っているが、これは繊維強度を数十%過大評価していることが明らかになった。剛直で線形力学的な変形を呈する天然繊維はガラス繊維同様、強度の最弱リンク理論に従うことが解明され、成形条件としてはFRPと類似する部分が多いのではないか、という目処がたった。
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