2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しい銅およびニッケル基バルクナノ二十面体ガラス複相合金の生成、構造と基礎的性質
Project/Area Number |
16760559
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
D.V LOUZGUINE 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60302212)
|
Keywords | バルク金属ガラス / 正20面体相 / 準結晶 / ナノ化合物 / 相変態 / 機械的性質 / 結晶化 / 構造 |
Research Abstract |
Ni_<60>Nb_<10>Zr_<15>Ti_<15>合金へのPt添加およびPt,Cu同時添加により、過冷却液体領域が42Kから89K、91Kとそれぞれ増加することがわかった。これは今までに知られているNi基金属ガラスの中で最も大きな値である。1300Kという比較的低い液相温度と850Kという高いガラス遷移温度によりT_g/T_1=0.65に達し、高いガラス形成能を示す。Ni_<55>Nb_<25>Ti_<15>Pt_5、Ni_<52.5>Nb_<10>Zr_<15>Ti_<15>Pt_<7.5>はそれぞれ直径3mm、5mmのバルク金属ガラスの作製が可能である。50〜65Kもの広い過冷却液体領域を示す新規Cu基、Ni基バルク金属ガラスはCu-Zr-Ti-Y、Cu-Zr-Ti-Ce、Ni-Nb-Zr-Tiなど金属-金属系で構成され、Cu基では最大直径5mm以上、Ni基では3mm以上に達し、引張強度はそれぞれ2500,2700MPaと高い値を示す。最大圧縮破壊強度と塑性伸びはそれぞれCu基で2520MPaと1.0%、Ni基で3085MPaと1.8%となった。このような高いガラス形成能、過冷却液体領域、破壊強度、延性を併せ持った新規合金により、新たな高強度材料開発の促進が期待される。Cu_<55>Zr_<30>Ti_<10>(Pd or Au)_5ガラス合金の昇温過程において、ナノスケールの正20面体相が最初に結晶化した。Cu_<55>Zr_<30>Ti_<10>Pd_5バルクガラス合金はcP2のCuZr相から成る10nm以下のナノ粒子を含む。また、Cu-Zr-Ti-Pd正二十面体相はZr-Cu-Pd正二十面体相と異なり、狭い組成域を有することがわかった。Cu-Zr-Ti-Y、Cu-Zr-Ti-Ce、Ni-Nb-Ti-Pt、Ni-Nb-Ti-Zr-Ptにおいて臨界直径5mm を達成可能な高いガラス形成能、50K以上の過冷却液体領域、2000MPa以上の引張強度、圧縮試験における1.8%の塑性変形が得られ、バルク金属ガラスにおいてこれらの性質が同時に得られたのは初めてである。以上の結果より、これらの合金が高強度で優れた成形性を必要とする材料として、これらの合金が用いられることが期待される。
|
Research Products
(6 results)