2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己修復界面を有するインテリジェントFRPの開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
16760572
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
真田 和昭 富山県立大学, 工学部, 講師 (20363872)
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Keywords | 材料試験 / フラクトグラフィー / インテリジェント材料 / 繊維強化ポリマー / 微細カプセル / 引張特性 / 界面剥離 / 自己修復 |
Research Abstract |
本研究は、使用時の繊維強化ポリマー(FRP)の強度を著しく劣化させる要因である強化繊維とマトリックス間の界面剥離を材料自体が自己修復し、優れた強度を長期間維持するインテリジェントFRPを開発するための基礎的検討を行ったものである。昨年度までの検討結果を踏まえ、新たな実験・解析を行った。得られた成果を要約すると以下の通りである。 1.修復剤入り微細カプセルと硬化触媒を混合した自己修復エポキシ樹脂を異なるフィラメント数N(3000,6000,12000)の強化繊維ストランドに塗布・硬化させて、自己修復界面を形成した強化繊維ストランドを作製した。これらの強化繊維ストランドを用いて自己修復FRP(一方向FRP)を作製し、繊維と垂直方向の引張試験を行った。初期の引張強度は、N=6000で最大値、N=12000で最小値を示したが、修復後の引張強度は、フィラメント数に依存せず、ほぼ一定値を示した。 2.N=6000の強化繊維ストランドを用いた自己修復FRPを対象に、繊維と垂直方向の引張試験を行い、強度回復に及ぼす微細カプセルの粒径および含有量の影響を検討した。自己修復FRPの初期の引張強度は、微細カプセルの粒径・含有量に依存せず、ほぼ一定値を示した。また、自己修復FRPの修復後の引張強度は、微細カプセル粒径の影響をほとんど受けず、微細カプセル含有量が15wt%以上でほぼ一定値を示した。 3.引張負荷を受けた自己修復エポキシ樹脂中の損傷進展挙動に関する3次元有限要素解析を行い、損傷進展挙動と微細カプセルの粒径・配置との関連性を検討した。粒径の異なる2つの微細カプセルが水平に並んだ場合、大粒径の微細カプセルの周囲から損傷が発生・進展した。 4.自己修復エポキシ樹脂の引張疲労試験を行い、剛性回復効果について検討し、一部興味のある結果を得た。
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