2004 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線領域XAFSを用いた機能材料中の典型元素活性種の構造制御法の構築
Project/Area Number |
16760574
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
有谷 博文 埼玉工業大学, 工学部, 講師 (40303929)
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Keywords | 軟X線XAFS / 触媒活性種 / 局所構造解析 / 典型元素XAFS / 複合酸化物 / 機能性セラミックス |
Research Abstract |
軟X線領域XAFSを用いた機能材料中の典型元素活性種の構造制御法の構築を目的として、以下2つの系における軟X線領域XAFS分光法からの典型元素をターゲットとする活性構造の解析を行った。軟X線XAFSの測定は岡崎国立共同研究機構分子科学研究所UVSORにおいて行い、適当な処理を施した後の触媒検体を全電子収量法で測定、表面近傍の構造を励起電子放出から観察しスペクトルを解析、評価した。まず、リチウムなどアルカリイオンを修飾した酸化マグネシウムおよびマグネシウム-ランタン複合酸化物を触媒とし,特異な活性種を要するメタン酸化カップリング反応での活性構造評価より、MgK端のXAFSよりメタン活性化を引き起こす活性種の構造因子は修飾アルカリイオンと酸化マグネシウムとの相互作用、とくに岩塩型構造を安定に存在し表面近傍に低濃度の欠陥が形成されたときに高い活性を導くことを示唆した。とくに表面およびバルク相の欠陥種の役割を今後検討する計画である。一方、3次元ミクロ細孔構造を有するシリカアルミナ組成のゼオライトにおけるケイ素のK殻XAFSによる局所構造の解析からは、ゼオライト中のSi-O_4四面体構造からの歪みはその骨格構造内の多員環局所構造を反映し、とくにH-MFIのように5・6員環構造を骨格内に有する場合にXANESにおける1s-3p励起(XANESにおける主ピーク)のエネルギー分散度の増大を示すことが明らかとなった。この傾向は他のゼオライトとの比較からも示され、局所構造が直接XAFSスペクトルに敏感に反映することが示唆された。以上のように、高い分解能を有する軟X線XAFSからの構造評価が既存にない局所構造の情報を与え、他の構造解析法と合わせて多面的なミクロ構造を評価出来ることが結論づけられた。
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