2006 Fiscal Year Annual Research Report
金属微粒子内包ダイヤモンドライクカーボンの作製とその応用
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16760579
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小林 知洋 独立行政法人理化学研究所, ビームアプリケーションチーム, 研究員 (40282496)
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Keywords | ダイヤモンドライクカーボン / プラズマイオン注入 / PBIID / 細胞接着性 / 金属ドーピング / シリコーン |
Research Abstract |
プラズマイオン注入製膜(PBIID)装置を用いて、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜の作製を行った。DLC膜は原料ガスにメタン(CH_4)およびトルエン(C_7H_8)を用いて基板上に成膜する場合と、不活性ガスイオンを用いてポリマー表面を炭素化して作製する場合の2通りを行った。炭化水素ガスにより成膜したDLCは水素と窒素のドープ量を変化させ、生体組織親和性の評価を細胞培養試験にて行った。その結果細胞接着率は水素の含有量には影響されないが、窒素に関してはドープ量と正の相関があることが判明した。一方シリコーン(ポリジメチルシロキサン)に対してアルゴン、クリプトンを照射して作製したDLCは、95%以上の細胞接着率(L929細胞)を示した。本手法をチューブ上のシリコーンに適用することにより、雑菌の侵入を防ぐことが可能なカテーテルとして特許申請を行った。本手法で作製したDLCの組成をラザフォード後方散乱分析法(RBS)により解析したところ、照射された不活性ガス原子が内部にトラップされていることが判明した。また、鉄の原子が存在していることが明らかになり、チェンバーや電極材からの混入が示唆された。鉄原子は表面に付着しているのではなく、表面から300nm程度の深さまで分布していることが明らかになり、電場によって加速され注入されていることが判明した。試料近傍に銅板を設置してこの現象を積極的に利用することを試みたところ、同様に試料内部に銅が注入され、金属含有DLCが生成されることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)