2005 Fiscal Year Annual Research Report
銅の工業電解における特異吸着アニオンと界面活性剤の相乗作用
Project/Area Number |
16760585
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大上 悟 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (90264085)
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Keywords | 銅製錬 / 特異吸着 / 界面活性剤 |
Research Abstract |
前回作成した電解精錬用めっき浴におけるハロゲンイオン滴定曲線によるとハロゲンイオン(Cl-,Br-,I-)の添加により界面活性剤との相乗効果により電位が大きく分極するが,ある一定量以上の添加を境に復極するという「V字型」の挙動を起こすことを見いだした。 今回は電気化学的インピーダンス法(EIS)を用いてCole-Coleプロットを描画し,界面活性剤(PEG)とハロゲンイオン(Cl-)の相乗作用について検討した。 ハロゲンイオン滴定曲線から以下の部分を測定点として抽出し,EIS分析を行った。 A.界面活性剤・ハロゲンイオンともに添加していない浴 B.界面活性剤のみ一定量添加した浴 C.上記B.の浴にハロゲンイオンを添加した浴(1.浴と3.浴の中間ほどの電位を示した条件) D.上記B.の浴にV字型の挙動における電位の極大値を示したハロゲンイオンを添加した浴 E.上記B.の浴に電位の極大を示したハロゲンイオン濃度よりも高濃度のハロゲンイオンを添加した浴 A.浴では小さな容量性半円が1つだけ出現した。 B.C.D.E.浴では大きな容量性半円が2つ出現した。ハロゲンイオンを添加していない浴(B.浴)では高周波数側の容量性半円の方が大きいのに対して,ハロゲンイオンが存在する浴(C.D.E.浴)では低周波数側の容量性半円の方が大きくなっていた。 またB.C.D.E.浴においてB<C<D<Eの関係でハロゲン濃度が増加していくが,2つの容量性半円の直径の大小関係もハロゲン濃度に対応して変化した。すなわちハロゲンイオン濃度の増加により高周波数側の容量性半円の直径は小さくなっていき,低周波数側の容量性半円の直径は小さくなった。
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