2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760596
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三宅 正男 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60361648)
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Keywords | 金 / 白金 / 亜鉛 / 金属間化合物 |
Research Abstract |
近年、資源リサイクルの観点から、多種多様なスクラップからの貴金属の分離・回収が注目を集めている。回収されたスクラップは物理的な方法によって選別された後、化学的な方法によって各金属の分離・回収がはかられる。湿式法で処理する場合、最初の工程は金属成分を水溶液中へイオンとして溶出させる浸出工程である。しかし、白金族金属などの貴金属は化学的に安定で水溶液中に容易に溶解しない。これらの難溶解性貴金属の溶解には一般に、強酸、強力な酸化剤、あるいは毒性の高い錯形成剤を用いた長時間の処理を必要とし、結果として大量の処理困難な廃液が発生する問題がある。このような難溶解性貴金属の溶解性を向上させる手法として、カルシウム(Ca)あるいはマグネシウム(Mg)といった卑な金属の蒸気と接触させ化合物を形成させる処理が有効であることが明らかにされた。本研究では、金(Au)および白金(Pt)を亜鉛(Zn)蒸気と反応させ、生成した化合物の王水への溶解挙動を調査した。Au板を600℃でZn蒸気と反応させることでZnを約65at%含むAu-Zn化合物を得た。また、Pt粉末とZn蒸気を℃で反応させ、Pt_5Zn_<21>、を得た。これらの化合物の王水への溶解挙動を調べた結果、Au-Zn化合物の溶解速度は単体Auよりも遅いが、対照的に、Pt-Zn化合物の溶解速度は単体Ptよりも著しく大きくなることが明らかとなった。
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