2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760599
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 将克 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (40335203)
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Keywords | ネフェリン / ネフェリンサイナイト / 蛍石代替材料 / 脱硫 / Sulfide Capacity / 熱力学 |
Research Abstract |
CaF_2(蛍石)の代替材料が希求されており、ネフェリン(Nepheline,(1/2)K_2O・(3/2)Na_2O・2Al_2O_3・4SiO_2)に注目した。Nephelineの理想的な化学組成はKAlSiO_4とNaAlSiO_4の、K/Na=1/3(モル比)の固溶体であり、その液相線温度は1693K程度でCaF-2の融点に近い。本年度は、脱硫反応における蛍石代替の可能性を評価するため、CaO-Al_2O_3-Nepheline系スラグのSulfide Capacity(C_s=(%S)p_<O_2>^<1/2>/P_<S_2>^<1/2>)を測定し、CaO-Al_2O_3-CaF_2系スラグとの比較を行った。 スラグ中のCaO/Al_2O_3重量比が1/1、初斯(%S)の異なる2つの試料(各1.2g)を並べてPt製試料皿に載せて、SiC抵抗炉内、Ar-CO-CO_2-SO_2混合ガス気流中にて1773Kまで昇温し、6時間保持した。その後、試料を反応管の端部まで移動させて冷却凝固させ、(%S)を求めた。初期(%S)の異なる2種類の試料がほぼ等しいで(%S)になっていることを確認した。 CaO-Al_2O_3にNephelineを添加すると、添加量の増加に伴ってSulfide Capacity, Csは低下したが、その低下の程度は徐々に緩やかになった。一方CaO-Al_2O_3にCaF_2を添加すると、Csは増加した。CaO-Al_2O_3-CaF_2中のCaF_2をNephelineに置き換えるとCsは低下する傾向を示した。ただし、CaO-Al_2O_3にNephelineを7.5%添加することによるC5の低下は1.0×10^<-3>から0.69×10^<-3>に低下する程度に抑えられた。これは、他の脱硫スラグと比較しても、充分な脱硫能を有すると判断できる値であり、Nephelineは蛍石の代替材料として有望であると考えられる。
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