2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760599
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 将克 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (40335203)
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Keywords | ネフェリン / ネフェリンサイナイト / 蛍石代替材料 / 脱硫 / Sulfide Capacity / 熱力学 |
Research Abstract |
製鋼プロセスではCaF_2(蛍石)の代替材料が希求されている。溶融温度がCaF_2に近いネフェリン(Nepheline,(1/2)K_2O・(3/2)Na_2O・2Al_2O_3・4SiO_2)に注目し、脱硫、脱リン反応における代替の可能性を明らかにした。 脱硫反応での代替の可能性を評価するため、CaO-Al_2O_3-Nepheline系スラグのSulfide Capacity(Cs)を1773Kで測定し、CaO-Al_2O_3-CaF_2系スラグと比較した。本年度は固液共存スラグについて、Nepheline及びCaF_2添加量と液相の割合、見かけのCsとの関係を求めた。固液共存のCaO-Al_2O_3スラグ(重量比60/40)にNephelineを添加すると、液相割合の増加とともにCsは増加し、15wt%の添加で最大値2.2×10^<-2>を得た。同量の液相を生成するには、Nephelineの方がCaF_2より添加量が少なくなる結果となった。またCsは他の脱硫スラグと比較して充分な脱硫能を有すると判断できる値であり、Nephelineは蛍石の代替材料として有望であると考えられる。 脱リン反応での代替の可能性を評価するため、CaO-Nepheline-FeO系スラグのFeO活量、CaO-Nepheline-P_2O_5活量を1673Kで測定した。測定にはジルコニア酸素センサーによる起電力法を用いた。脱リン反応は高FeO活量、低P_2O_5活量の条件で進行する。均一液相領域でCaOをNephelineに置換するとFeO活量は上昇した。一方CaO-Nephelineスラグ中のP_2O_5濃度が増加すると急激にP_2O_5活量が上昇する結果となった。測定した活量値から平衡到達リン濃度を見積もると、実操業ではほとんど脱リンが進行しないことが分かった。脱リンプロセスではNephelineは蛍石の代替材料として期待できない。
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