2005 Fiscal Year Annual Research Report
物体後流域の乱れを利用した微小デバイスからの伝熱促進
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16760602
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
門叶 秀樹 山形大学, 工学部, 助手 (30272082)
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Keywords | 伝熱促進 / 物体後流 / 速度変動 / 微小発熱体 / 熱伝達係数 |
Research Abstract |
昨年度の研究に引き続き,風洞出口において速度分布が一様な気流を作り,その流れ中に気流を部分的に遮る物体として極薄の平板を設置し、その後流域に乱れを発生させた。本年度は,昨年度よりも気流速度の範囲を広げるために,大型の風洞装置を外注で作製した。物体後流の乱れ領域内の空間局所の気流の乱れ特性と熱伝達特性の関係を明らかにするために,熱線流速計を用いて後流域の速度分布と空間局所の速度変動を測定し,別途作成した微小発熱体を熱伝達係数測定用プローブとして用い,速度変動を測定した位置と同じ箇所での熱伝達特性を測定した。なお,微小発熱体には,サーミスタをヒーターとして封入した直径5mmのベアリング球を用いた。ただし,発熱体が微小なため,サーミスタのリード線からの放熱が無視できないので,次のような工夫をした。すなわち,上記の微小発熱体プローブとは別個に,あえてもう一対のリード線をベアリング球に接続した,いわゆるダミーのリード線つきプローブを作製し,双方のプローブを交互に同一測定箇所に設置して表面温度が等しい条件下で測定を行った。次いで、ダミーの無いプローブの放熱量とダミーつきプローブの放熱量の差からリード線からの熱損失分を求め,金属球自体からの正味の放熱量を求めた。 上述のように測定した物体後流域の空間局所の熱伝達係数と気流の速度変動の関係を検討したところ,物体後流域のデッドスペース(物体の背後の領域)の外縁付近では気流の速度変動が著しく大きくなり,これに伴って熱伝達係数が一様気流中における値よりも数十%ほど増大することがわかった。さらに,熱伝達係数が最も促進される位置(垂直平板からの熱伝達が最も促進される座標)を実験式で表すとともに,一様流中よりも大きな値を示す熱伝達係数を表示する実験相関式を提出した。
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