2004 Fiscal Year Annual Research Report
超音波照射により界面生成速度を制御した分離場の創製
Project/Area Number |
16760605
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
二井 晋 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (90262865)
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Keywords | 超音波霧化 / 液滴合一 / バイオディーゼル / エタノール / 相分離 / 界面活性 |
Research Abstract |
平成16年度は、2.4MHzの高周波の超音波を液面に向けて放射して、気-液界面で微小液滴を生成させ、水溶液からのエタノール濃縮における分離機構の解明を行うとともに、バイオディーゼル燃料の製造プロセスにおいて、油水分離を促進させるための手法として液-液混合物に、2.1MHzの超音を照射して、相分離の促進に関する研究を行った。 前者については、エタノールと水の混合物を霧化させて生成した液滴を空気吹き込みによって飛ばすことにより、微小液滴とキヤリアーガス、成分蒸気を含む気相が得られることが実験的に確認された。気相に含まれる水やエタノール蒸気の量により、液滴の割合は変化するが、機器による直接測定は困難であった。そこで、霧化装置を断熱と仮定して熱収支をとることで、熱量の観点から、液滴として存在する混合物がどれほどかを見積もったところ、単位時間あたりに減少する液体のうち、わずか4%が蒸発するのみで、残りは微小液滴として飛散していることがわかった。 後者について、界面活性物質を含んで相分離が困難な油水混合物に、2.1MHzの超音波を照射したところ、迅速に濁度が減少して相分離が進行した。間歇的に照射を行うことで、効果的に濁度を減少させることに成功した。この理由として、音場中に置かれた密度の異なる物体にはたらく音響放射圧の作用によって油滴が層状に集められて振動することで合一し、一旦照射を止めることでそれらが沈降して分離され、残りの混合物に再び超音波が作用するためと考えられる。
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