2004 Fiscal Year Annual Research Report
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16760612
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
西井 靖博 新居浜工業高等専門学校, 生物応用化学科, 助手 (90321504)
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Keywords | 逆ミセル系 / 液滴合一挙動 / 多孔板塔 / 界面活性剤 |
Research Abstract |
逆ミセル系における液滴の合一について各種条件を検討した。本年度は、多孔板塔を用いた逆ミセルからのタンパク質の逆抽出を想定して、水滴の油水界面との合一挙動を調べた。現有の合一モジュールを用いて界面での合一現象をデジタルビデオカメラを用いて記録することにより、その画像を解析ソフトで画像処理し、滴合一時間、滴径を求めた。界面活性剤としてAOTを含むAOT逆ミセル系で、水相の塩には塩化カリウム、タンパク質には卵白リゾチームを届いた。タンパク質の正抽出が起こる系では、リゾチームが水滴や合一界面から逆ミセルを形成することによる界面間の合一に対するバリア的効果と、塩濃度増大による界面張力増大の効果がバランスした結果となった。タンパク質の逆抽出が起こる系では逆にタンパク質を含む逆ミセルが界面で破壊する効果が合一を促進させた。塩の存在の影響を調べるために、塩を含まない系を行ったが界面活性剤の水相への溶解、タンパク質の沈殿・凝集が起こりそれがバリアとなり合一時間は増加した。タンパク質が存在しない系では、塩濃度増加が合一時間を著しく増加させた。これはタンパク質が界面に対して積極的な変形を促していることを示唆する。界面活性剤のバリアの影響を調べるために界面活性剤を含まない系を行った。存在する系に比べ当然の結果として界面張力が20倍大きくなり、それに伴って水滴自体が3倍大きくなり、重力による界面間油相排除により合一時間は2/3秒ほどと小さくなった。実際の多孔板塔を用いた抽出装置を想定した場合、滴径が小さく界面積が大きいことが望ましい。しかしながら今回の結果から、ある程度の滴径を形成し合一時間を小さくすべきで、さもなければ塔操作を安定に行えないことが導き出された。従って今後、各溶液条件、滴を生成するノズル径、滴生成速度についても検討が必要に考える。
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Research Products
(1 results)