2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760616
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
福長 博 信州大学, 繊維学部, 助手 (30313844)
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Keywords | 固体酸化物形燃料電池 / ペロブスカイト酸化物 / 燃料極 / 劣化 |
Research Abstract |
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は高温で作動するため、理論効率が高い。しかし、高温のため電極触媒の焼結が進行しやすく劣化してしまうという欠点を持つ。構成材料の中でアノードに使用されているNiは、金属であるため焼結に伴う粒成長も生じやすいという問題点がある。高温で微粒子状態を維持できる触媒を用いることができればその問題を改善策することが可能となる。本研究では、SOFCアノード材料としてLaFe_<1-X-Y>Co_XPd_YO_3(LFCP)を用い、高温運転時においても劣化の少ない電極の開発を目指した。 LFCPの硝酸塩を目的のモル比で蒸留水に溶解し、各硝酸塩水溶液を混合した。その後、クエン酸を滴下し、乾燥させ、クエン酸錯体を作製した。作製したクエン酸錯体仮焼き後、焼成し、湿式混合粉砕を行った。作製した触媒粉末のXRD測定を行ったところ、ピークはほぼ一致し、他の酸化物に起因するピークは観察されなかった。 発電用セルの材料として電解質にSDC(Samaria Doped Ceria)を用い、アノードにLFCPのみ及びSDCを混合したものの2種類を作製し発電測定を行った。LFCPをアノードとして使用して、いずれのセルも発電が可能であった。LFCPのみのセルとSDCを混合したセルでは温度依存性が異なり、律速過程が異なる可能性が示唆された。しかし性能は既存のSOFCよりは低く、今後は電極構造の制御により性能の高性能化を図る。
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