2004 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧二酸化炭素‐イオン性液体による新規複合反応場の構築およびCO2固定化
Project/Area Number |
16760619
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
川波 肇 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 研究員 (80298984)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / イオン性液体 / 固定化 / カーボネート / ウレタン / 触媒 / イミダゾール / 高圧 |
Research Abstract |
(1)まず初めに、高温高圧(最高圧力70MPa、最高温度300℃)に耐えられる超臨界二酸化炭素-イオン性液体反応容器(流通式に対応可能)の作成を行なった。反応容器は、1段目(50mL)に超臨界二酸化炭素と反応基質を混合させ、2段目(50mL)のイオン性液体を入れた反応管中に混合基質を導入する2段構成の容器を製作した。材質は、再度強度計算により、SUS316でも十分高温高圧(最高圧力70MPa、最高温度300℃)に耐えられると判明し、加工のし易さから材質をインコネル624からSUS316に変更した。現在、法的許可の申請を行なっている。 (2)次に、反応検討の計画に則り、まずプロピレンイミンと二酸化炭素を用いた環状ウレタン合成を検討した。結果、超臨界二酸化炭素-イオン性液体多相系反応場において、アルキル基置換イミダゾール塩系イオン性液体を用いたところ、反応温度40℃であるのにも拘らず、わずか5分で最高収率56%、選択率96%に達した。また、イミダゾール塩系イオン性液体の溶媒極性の二酸化炭素圧力依存性をE_T(30)値により検討した。結果、アニオンがBF_4塩の場合、圧力上昇に伴いE_T(30)値が50.4から減少し、臨界圧力近傍で49.9と最も極性が低くなることが分かった。またこれより高圧の場合は、極性が逆に大きくなることが分かった。更に極性の圧力変化と反応収率の変化との相関関係を考慮した場合、極性が最も低い臨界圧力近傍において最も収率の増大が見られた。そこで、反応収率・選択率の更なる向上を目的に、E_T(30)値が小さいアルキルアンモニウム塩系イオン性液体の利用を試みた。結果、テトラオクチルアンモニウム塩イオン性液体を用いた結果、収率98%選択率100%となり、TOF値にして、従来の有機溶媒を用いる方法に比べ254倍、超臨界二酸化炭素中のみを用いる方法に比べ116倍であることが分かった。
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