2004 Fiscal Year Annual Research Report
有機-無機コンポジットマテリアル用新規金属ナノ構造体の創製
Project/Area Number |
16760622
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
近江 靖則 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (50313713)
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Keywords | メソポーラスマテリアル / 金属ナノ粒子 / 界面活性剤 |
Research Abstract |
ナノサイズの大きさを持つ金属ナノ粒子は、触媒をはじめ、光学材料や電子材料、センサーや磁気材料、抗菌材料など非常に幅広い応用が期待されている。また、界面活性剤などの有機分子集合体で保護された金属ナノ粒子を用いて形成された1〜3次元超格子は、金属ナノ粒子単独では発現しない新たな特性を示すことから、非線形光学特性を利用した光スイッチ、表面増強ラマン散乱基板などの光デバイスなどへの応用が盛んに研究されている。しかし、超格子の作製には自己組織化法や外部力場を用いる方法が用いられているが、その制御は容易ではない。一方、メソ多孔体は高い比表面積および極めて規則性の高いメソ細孔を有し、合成条件を変化させることにより容易に六方、立方、層状と細孔構造および細孔径を制御することが出来る。このような特性を活かし、触媒、吸着・分離剤以外に金属ナノ粒子、機能性有機分子などのホスト物質への応用されているが、メソ多孔体の細孔構造内での金属ナノ粒子超格子を作製した例は報告されていない。本研究では、メソ多孔体が界面活性剤などの有機分子集合体を鋳型として合成されていることに注目し、その有機分子集合体の代わりに界面活性剤で保護された金属ナノ粒子を用いてメソポーラス多孔体に規則的に配列した新規金属ナノ構造体の創製し、金属ナノ粒子単独得られない触媒特性の発現を目指す。本年度は、界面活性剤保護白金ナノ粒子を調整し、それを用いメソポーラス多孔体の合成を行った。その結果、一度ナノ粒子をゲル濾過により分収した界面活性剤保護白金ナノ粒子を用いることにより、多くの白金ナノ粒子を多孔体中に導入することが出来た。しかし、多孔体の合成中に白金ナノ粒子から保護している界面活性剤が外れる問題が生じた。そこで、白金ナノ粒子と相互作用が強いチオール基を有する界面活性剤を合成し、それを用いて白金ナノ粒子を合成する必要があることがわかった。
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