2005 Fiscal Year Annual Research Report
可視光応答性酸化チタン光触媒による水とメタンからの水素製造
Project/Area Number |
16760625
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
市橋 祐一 神戸大学, 工学部, 助手 (20362759)
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Keywords | 光水蒸気改質反応 / 光触媒 / 水素エネルギー / KTaO3 / TiO2 / Ni / メタン |
Research Abstract |
メタンの光水蒸気改質触媒の開発を行い、それらの水素生成活性および活性発現等について検討した。まず、光触媒として代表的な酸化チタンを用い、メタンと水の存在下水の光分解反応を試みたが、この場合全く活性を示さないことがわかった。一方、この酸化チタンに銀やニッケル、銅、鉄などを担持することで、この反応において水素が生成し、特に銀を担持したときに最も初期活性が高く、メタンが効率的に水の還元剤として寄与していることも明らかとなった。しかし、この銀担持酸化チタン光触媒においては、反応開始とともに活性が著しく低下し、反応開始4時間後にはほとんど活性を示さなくなることがわかった。一方、次に活性の高かったニッケルを担持した酸化チタン光触媒でも反応経過とともに失活は観測されたが、銀担持触媒ほどの著しい失活ではなく、この触媒系ではニッケルを担持した触媒の方がより効果的であることが明らかとなった。 次に、酸化チタン以外の光触媒(ZnO,ZrO_2,WO_3,KTaO_3)を用い、上記と同条件下でメタンの光水蒸気改質反応を試みたところ、KTaO_3のみで水素生成が観測された。さらに、これら触媒にNiを担持して反応を行ったところ、Ni担持KTaO_3で、無担持のKTaO_3に比べて著しい活性の向上が観測された。この触媒では、前述の酸化チタン系光触媒で観測された、反応経過とともに生じる活性の低下はほとんど観測されず、また酸化チタン系光触媒と比べても水素生成量は同程度であった。このNi担持KTaO_3光触媒を用い、メタンのみを供給した場合と、水のみを流した場合、メタンと水を両方とも供給した場合の水素生成活性を比較したところ、メタンのみでは反応が進行せず、水のみではある程度の水素生成が観測されるものの、メタンを同時に供給することによりその水素生成量は約4倍程度向上することが明らかとなった。したがって、このNi担持KTaO_3触媒でもメタンが効率的に水の還元剤として機能していることが明らかとなった。
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