2004 Fiscal Year Annual Research Report
高靭性・高耐熱性カーボンナノチューブ/セラミックス複合ナノコーティングの開発
Project/Area Number |
16760645
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鄭 国斌 長崎大学, 工学部, 助教授 (40346929)
|
Keywords | 炭化ケイ素 / CVD / カーボンナノチューブ / C / C / 複合材料 / 耐酸化性 / コーティング / セラミックス |
Research Abstract |
C/C複合材料上のカーボンナノチューブの成長:C/C複合材料試料を触媒の前駆溶液硝酸コバルト・硝酸鉄の溶液に含浸し、乾燥し、700℃で水素、アセチレン、窒素を流してカーボンナノチューブを合成した。SEMとTEMの観察により直径40-80nmのナノチューブはほぼ均一にC/C表面を覆うことがわかった。ナノチューブ層の厚さは約10-20μmであった。 CNT-SiCコーティングを作成するには二種類の方法を用いた。C/C-CNT試料をポリカルボシラン(PCS)のトルエン溶液を含浸させ、熱分解することによりCNT-SiCコーティングを作製した。その結果、PCSの熱分解際、収縮が激しくて小さな気孔が残って、緻密なコーティングを得る事が難しかったことが判明した。また、真空CVD装置(申請設備)を用いて、CH_3SiCl_3を原料として、CVD法でC/C-CNT試料へSiCの蒸着を行った。SEM観察から1200℃以上ではSiCの蒸着速度が速く、緻密なコーティングが得るのが難しかったことがわかった。1150℃では、緻密なコーティングが得られた。コーティングにはコーティングとマトリックスの熱膨張の差による起こされた亀裂が見られた。CNTがない試料と比べると、亀裂が少なかった。また、1200℃の酸化実験では、C/C-SiCと比べると、C/C-CNT-SiCの方が酸化速度が5倍遅くなることがわかった。酸化後の試料の観察から、試料の小さい亀裂と欠陥が酸化速度を決定する要因となっていることが判った。 今後、ナノチューブとマトリックスの界面状態を明らかにし、コーティングの厚さを調整し、ホウ素化合物の相を入れるなど手法で、高靭性かつ高温で完全に耐酸化性を有するCNT-セラミックスコーティングを開発する。
|